淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

今日の空111(お知らせ)

晴天の日は飛行機雲が出ていることが多くな

りました。空気が乾燥してきた証拠です。

11月は毎年慌ただしく冬への準備でバタバタ

していますが、ようやく今年も冬タイヤへの

交換も終わりやれやれといった感じです。

生まれ育った地から遠く離れた不慣れな地へ

両親のヘルプのために転居して来てあっとい

う間に4年半、ブログを始めて4年以上経ち

ました。

この頃、親たちの高齢化に伴って色々なこと

が散らかってしまい、落ち着いてブログを楽

しむ時間を取るのが難しい状況になっていま

す。無理に続けて変なことを書いても皆様を

不快にしてしまうと思い、このあたりで少し

お休みさせていただこうと思います。

誠に勝手ながら落ち着いたらまた再開したい

と考えております。

どうぞ、皆様それまでお元気でお過ごしくだ

さい!

マンリョウ(実)

今年の我が家のマンリョウは不作です。

ちょっと残念ですが仕方ありません。

今年は全般的に雨が少ないためその影響なの

かもしれません。

マンリョウの実もピラカンサの実と同様にヒ

ヨドリの大好物です。赤く色づくとどこから

かやって来て大きな声でこれは自分のものだ

と宣言しています。いつもの年なら翌年の1

月ごろまで実が残っていますが、今年は早々

になくなるかもしれません。

ヒヨドリはこの辺りでは通年見かける鳥なの

で珍しくはないのですが、マンリョウにとっ

ては大事なパートナーです。ヒヨドリの体内

を通って消化されたマンリョウの種は庭のあ

ちこちにばら撒かれ、春になるとあれ?と思

うような場所にマンリョウが芽吹いているの

を見ます。マンリョウの実の赤い部分には発

芽抑制物質が含まれているため、取り除いて

もらわないと芽を出すことが出来ません。ヒ

ヨドリに冬の食料を提供する代わりに発芽を

手伝ってもらう、持ちつ持たれつの関係なの

です。

すっかり寂しくなった庭を彩るマンリョウ

お正月の縁起物として人気ですが、ヒヨドリ

たちからも熱い視線を送られていることでし

ょう。

 

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ヤツデ(花)

日陰を好むヤツデの花も集まって咲けば結構

賑やかに見えます。

球形の小花の集合体は雄しべが長く繊細なた

め、ちょっと細工物のようにも見えますがこ

れはれっきとした生きている花です。

多くの人は花といえばフラワーショップで売

られている色とりどりの花を思い浮かべるで

しょうが、お店で売られている花はそのほん

の一部に過ぎません。ヤツデの花が生花とし

て売られているのを見たことがある人は、多

分いないでしょう。

ヤツデは、元々海岸近くの山の中に自生する

常緑低木です。葉には艶があり、日陰でも丈

夫に育つため裏庭やトイレの側に植えられる

ことの多い樹木です。

不名誉な地位に甘んじているヤツデですが、

晩秋から冬にかけての花がほとんど見られ

ない時期、ミツバチやハエ、ハナアブなど

の命を黙って支え、それと引き換えに受粉

を助けてもらっています。

冬になると生きているものなどいない錯覚に

陥りますが、手堅い生き方を選んだ生き物は

意外と冬の時期を上手に利用しています。

競争相手の少ない時期こそ人気者になれるチ

ャンスと思ったのかは定かではありませんが

ヤツデはあえて他と別の道を選んだのです。

 

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モチノキ(実)

バス通りに植えられたモチノキに赤い実が、

見られるようになりました。

モチノキは、和風庭園ではモッコク、モクセ

イなどと並んで欠かせない木ということで庭

木の三大名木と呼ばれています。ただ、最近

は、洋風の派手な庭木が増えたせいでその知

名度も低下気味だとか。

雌雄異株のモチノキは、春にそれぞれの株で

雄花、雌花を咲かせます。両方とも黄緑色の

花のため、道行く人は花が咲いていることに

ほとんど気づきません。成長が遅い木で根を

深く張り、水分を多く含む葉はツバキと同じ

ようにクチクラ層と呼ばれる丈夫なワックス

層で覆われているため、大気汚染や塩害にも

強いと言われています。私の住む住宅地でも

その丈夫さが買われたのか、バスや車が多く

通る道沿いに植えられていて気の毒なくらい

すすけています。

常緑樹であるモチノキは、本来日本の暖地の

山に自生する木ですが、どういうわけこかの

寒い北国に植えられています。車が巻き上げ

る砂埃と排気ガスで汚れた姿を見る度に雨の

シャワーもめっきり少なくなったこの辺りで

は、さぞかし暮らし難かろうと横を通り過ぎ

る度に思うのです。

 

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ツクバネ(実)

ついこの間までたくさんの黄葉をまとってい

たツクバネの木も、冷たい雨に打たれてすっ

かり葉を落としました。

ツクバネは、春から秋までは枝にたくさんの

葉を茂らせているので緑色の若い実はほとん

ど目立ちません。花が咲いた後、夏にはすっ

かり羽子板遊びのツクバネにそっくりの姿で

枝にぶら下がって準備万端といった感じにも

かかわらず。

雨上がり、ツクバネの木を見に行くと夏の間

は葉をかき分けるようにして実を確認してい

たのがウソのように今では実だけが枝に残っ

て揺れていました。今年は実のつきが良いよ

うでたくさんの実がモビールのように枝のあ

ちこちに賑やかに下がっています。

ツクバネは、針葉樹に半寄生する落葉低木で

す。そのため周囲にはスギ、モミなどがたく

さん茂っています。薄暗く湿った北斜面で目

立たず生きていますが、この不思議な形の実

はユニークで興味をそそられます。

根を針葉樹にからませて少し栄養を分けても

らいながらも自分自身も光合成を行うという

生態は、人工的に栽培することを難しくして

いますが、だからこそ季節ごとにのぞいてみ

たくなるのです。

 

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ピラカンサ(実)

秋に赤い実をつける木々はたくさんあります

が、晴天の下で見るピラカンサの実は特別輝

いているように見えます。

今年もこの辺りではあまり実のつきは良くな

いようですが、それでも赤い実をあちらこち

らで見かけます。

初夏、びっしりと白い花を咲かせるピラカン

サは、秋に赤い実の塊になります。その実を

ヒヨドリなどの中型の野鳥が冬にかけて代わ

る代わる食べに来ます。意地汚いヒヨドリ

中には、ピラカンサの側に居座ってピーピー

と鳴いてこれは自分の木だ!と宣言するもの

まで現れます。

ピラカンサの多くは庭木として個人の庭に植

えられているものが多いですが、たまに公園

の植え込みの中に小さな木を見つけることも

あります。こういう木は、多分鳥たちの落と

し物から芽をだした実生苗だと思われます。

公園のツツジなどに混じって健気に生きてい

る幼木は秋になるとちゃんと赤い実までつけ

ていて将来楽しみです。

日本に入って来たのは明治時代以降といわれ

ているピラカンサですが、今では野鳥にとっ

てだけでなく、秋から冬の間私たち人間の目

を楽しませてくれる貴重な彩りとなっていま

す。

 

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モミジ(実)

色づいたモミジの紅葉はあっという間に散

り、葉のなくなった枝にはモミジの実だけ

が残されています。

モミジの実は、プロペラのような形をして

います。春に花が咲きその後、実は完成し

た形で緑色の多くの葉に紛れて秋までは枝

に留まって過ごします。

真っ赤に色づいたモミジの葉が枝を離れる

と残されたモミジの実は、旅立ちの時を迎

えます。プロペラの部分は翼と呼ばれ、飛

行機のプロペラと同じように風を受けて遠

くまで飛んで行きます。試しに枝から実を

取って高い位置から手を放すとプロペラが

クルクルと回りながら落ちていくのを見る

ことが出来ます。高木に育ったモミジの木

ほど高い位置から種を手放すことになるの

で、その分遠くまで種は風に乗って飛んで

行くことになります。

北国は、落葉樹が圧倒的に多いため、周囲

の山々の木はほとんど葉を落としました。

山の色は焦げ茶色で塗りつぶしたようにな

り、春まで長い眠りに就きます。薄暗かっ

た雑木林には、地面まで日が射すようにな

り明るくなります。

親木を離れ旅立ったモミジの種たちは、雑

木林のどこかへ降り立ち新しい命となって

春になったら芽吹くことでしょう。

 

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ヒメアリドウシ(実)

今年もヒメアリドオシの実は鮮やかです。

真っ赤な実は、葉を覆いつくすほどたくさん

なっています。

この木は普段はほとんど目立たない存在です

が、冬が始まる直前だけ実が赤く染まってそ

の存在を知らせます。ずいぶん昔から庭の隅

にあって、ほとんど手入れもされていないの

に感心するほど丈夫です。

ヒメアリドオシは、初夏小さな白い花を咲か

せます。小さな花はよく見なければ咲いてい

ることを見落とすほど小さいのに、これだけ

多くの実をつけるということは花もそれなり

の数が咲いているのでしょう。初夏は次々と

目立つ花が咲くのでこの花に目を向ける人は

ほとんどいません。

低木であるヒメアリドオシは、木と呼ぶには

あまりにも小さく自生のものは地面を這うよ

うに雑木林でひっそりと生きています。

雑木林の縁を歩いているとフワフワと白いも

のが飛んでいるのを見るようになりました。

もうすぐ雪が降る季節が近いことを知らせる

雪虫です。雪虫が飛んだからといってすぐに

雪が降るわけではありませんが、ヒメアリド

オシの赤と雪虫の白が季節は確実に進んでい

ることを知らせています。

 

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スズメウリ(実)

今年はスズメウリの実が豊作です。

雑木林の日当たりの良い場所には、白く半透

明になった実が鈴なりです。

スズメウリの実は小さくせいぜい人の親指の

爪の大きさくらいしかありませんが、中には

黒くて平らな種が6~7枚入っています。夏

の終わりは翡翠のような緑色だった実が熟す

と白っぽくなり、晩秋には中が透けて見える

ようになるのです。

雑木林の周囲の田んぼの収穫が終わり、夏の

間草に阻まれて通れなかった場所も歩けるよ

うになりました。滅多に人が歩かない土はフ

カフカで柔らかです。足のおもむくまま雑木

林の周囲を歩くとたくさんのスズメウリの実

が、午後の日差しを受けてピカピカと光って

いました。こんなにもたくさんのスズメウリ

の実を見たのは、初めてかもしれません。私

が知らないところでまだまだたくさんの植物

が生きていることを改めて実感しました。

スズメウリの実がついているツルは糸のよう

に細く、もう枯れているので今にも切れそう

です。そのうち地面に落ちてフカフカの土に

潜っていくことでしょう。

雪が降ったり冷たい風が吹きつける冬の間は

温かな土のベッドでひたすら眠り続け、春を

待つのです。

 

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雑木林7

家の周囲の木々は、色づき始めたと思ったら

あっという間に赤茶色の風景に変わってしま

いました。

雑木林の奥の方へ入って行けばまだ赤い葉を

つけたモミジの木を見つけることは出来ます

が、離れて見る風景は穏やかな茶色に埋め尽

くされています。木の枝からは次から次へと

葉が落ち続け、風がなくても絶えず降るよう

に葉が落ちます。

母は、この茶色の山々の様子を見てモディリ

アーニのセーターになったと言います。昔、

あるアパレルメーカーが、画家のアメデオ・

モディリアーニの絵画の色にヒントを得て作

っていたセーターの色がこんな感じの色でそ

のことを指して毎年晩秋になるとこう言うの

です。男物だったそのセーターは、私が着潰

して今はもうありませんが、茶色のパッチワ

ークのように編まれた模様が本当に周囲の山

々の色のようでした。

空気がドンドン冷たくなり、空は益々青さを

増しています。私たちが勝手にモディリアー

ニの色と呼んでいる色はあっという間に消え

去り、凍りつく空と静まり返った山々に変わ

ってしまいます。

日に日に弱っていく日差しは、老親たちの様

子と重なって心に暗い影を落としてくるので

す。

 

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