淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ザラメ雪

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田んぼのあぜ道にはザラメ雪が出来ています。

降った雪が日中溶けて夜になると凍ることを

繰り返して出来る氷の粒です。厳密にいうと

降ってくる時にザラメ雪というものはなく、

地上に降り積もった雪が変化したものをザラ

メ雪と呼んでいるだけですが。

ザラメ雪で覆われた場所を天気の良い日に

眺めると銀色のラメが撒かれたようにキラキ

ラと光って見えます。なんでもない雑草が所々

茂るだけのあぜ道でも特別な道に見えます。

白いザラメ雪を見ていると縁日の夜店などで売

られている綿菓子を作る時に使う粒々の砂糖を

思い出しました。高速で回転している綿菓子機

の中心にザラメ雪のような砂糖を入れると周囲

からフワフワの糸状になった綿菓子が出てきて

それを上手に割りばしに巻き取っていく様子を

何度もあきずに眺めていた記憶があります。

白熱灯に照らされた夜の光にキラキラと光る

ザラメ糖の変身する様子が子供心に不思議でも

あり、きれいだなぁと魅せられた思い出です。

綿菓子のような雲、冷たい空気と太陽に晒され

て生み出されるザラメ雪、懐かしい記憶はいつ

もキラキラに彩られています。

オニドコロ(実)

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翡翠色のネックレスのようだったオニドコロ

の実は今はカラカラに乾いています。既に中

に入っていた種もほどんどなくなっていて、

晴天の日には少し光沢があってピカピカと光

って見えます。

オニドコロは、ヤマノイモの仲間で姿形も大

変よく似ていますが、ヤマノイモのように根

を食べることは出来ません。大変渋くて食べ

られたものではないそうです。盛夏の山の斜

面では、よく見るツル性の植物ですが、花は

大変小さく目立たず、むしろ未熟の実の方が

目にとまります。

私自身は、ほどんどアクセサリーをつけませ

んが、晩夏に翡翠色の実を長く連ねる様子を

見るとこういう形のネックレスやイヤリング

があったら素敵だろうなぁと思います。

翡翠色のオニドコロのアクセサリーは、白い

服に映えそうですが、冬に真鍮色に鈍く光る

オニドコロのアクセサリーは黒いタートルネ

ックのセーターにさらりと合わせたら素敵だ

ろうなぁと想像しています。 

 

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フクジュソウ(蕾)

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庭の日当たりが良い一角からフクジュソウ

芽がのぞいてきました。毎日雪が降っては消え

ることを繰り返している場所です。近寄って

よく見ると一番先端からはかすかに黄色い花弁

がのぞいています。

フクジュソウの輝くような黄色の花弁は、太陽

の色そのもののようです。陽に当たっている時

の花弁は、金属のような光沢を帯びています。

昨年は、フクジュソウの開花が早く1月中に咲

き始めましたが、今年は、雪続きのため多分開

花は2月に入ってからになるのでは?と予想し

ています。雪が積もるとこの芽もすっかり隠れ

てしまいますが、溶けるといち早く黒い土の上

に現れます。季節に逆らっているわけではない

けれど、負けてもいません。じっと自分の出番

が来るのを計っているような様子です。

毎朝氷点下になる戸外でひたすら自分が咲くべ

きタイミングをどうやって知るのか私にはわか

りませんが、この花が春を告げてくれる喜びは

何物にも代えがたいことは知っています。 

 

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雪原

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今朝は、雪が降らない代わりにこの冬一番の

冷え込みでマイナス8度くらいまで気温が下

がったようです。

窓という窓に氷が貼りつき朝刊を取りに玄関の

ドアを開けようとしても開かなくてビックリ!

身体ごと体当たりしてようやく外へ出ました。

夜中に地震でも起きて逃げなければならくなっ

たら、と思うと恐ろしくなります。

冷え込んだぶん、空には雲ひとつなく久しぶり

に青々とした空が広がりました。田んぼの方へ

行って見ると、雪原となった田んぼでは太陽光

パネルが一所懸命働いています。南に面した道

は雪もほとんどなくなって歩き易いのに北側の

道はアイスバーンでツルツルに滑ります。

日中も気温の上がり方は鈍くやっとプラスに

転じたと思ったら、すぐにマイナスの世界へ

逆戻りしたほど寒いのですが、歩いていれば

不思議とそれほど寒さは感じません。

今年は、この土地へ引越して来て一番寒い冬

です。まだまだこの土地に慣れていないのに

こんなに厳しい環境で大丈夫?と自問自答し

ながら少しずつ日没時刻が遅くなっている太陽

に望みを託して見送ったのです。

ムクゲ(実)

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私の住む地域は、思っていたほど低気圧の

影響なく、雪も今朝は少ししか積もっていま

せんでした。

白い雲に埋め尽くされた空からは、時々弱い

ながらも太陽がのぞいています。

昨日は、父の運転免許証の更新に伴う高齢者

講習に付き合って自動車学校へ行きました。

これまで行っていた学校は予約が取れず、初

めての場所だったので一度下見に行ったので

すが、細い山道をクネクネと登った場所にある

ため雪が降ったら行かれないかもしれないと

心配していましたが、無事終了証をもらえて

一安心です。

以前住んでいた県では、即日発効を望まない

場合は、最寄りの警察署で更新が出来たのです

が、今住んでいる県は、全ての人が免許セン

ターに行かないと更新出来ないそうで、天候の

回復を待ってまた一仕事です。自動車免許のシ

ステムなんて全国統一されているものだと思っ

ていたのですが違うようです。

別の面から見ればまだ免許証の更新をしたい!

という意欲があることは喜ばしいことなのかも

しれませんが、行政としては出来るだけハード

ルを上げて高齢者のドライバーを減らしたいと

思っているのでしょう。

何歳になっても人生は、日々戦いなのだ!と

庭のパックリと割れたムクゲの実を見て思うの

です。

 

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今日の空63

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コロナ禍でなるべく外出しない方が良いと

わかっているのに父と母のそれぞれの用事に

付き合うと私は毎日のように外出しているよ

うな感じになってしまう今日この頃です。

そうでなくても連日の雪かきで疲れている

のに私がコロナになったら2人はどうする

つもりなんでしょう。

午前中にやっと雪かきを終えたら爆弾低気圧

やって来るというので午後から買い物に急いで

出かけました。

本当は、自分の細々とした物も欠品していて

色々買いたい物があるのですが、いつも時間が

なくてまた次回、を繰り返しています。

天候が荒れてしまえば閉じ込められてしまうの

だから最優先は食料と燃料ですが、自分の物を

ゆっくり見る時間がない生活もすいぶん長くな

ったなぁと心の中でため息をつきます。

夕方、買い物から帰って自室の窓から空を見る

と久しぶりに長い飛行機雲が見えました。

飛行機の便数が減ってめっきり見なくなった

飛行機雲が墜落していくように斜め上から下へ

白い線を描いています。朝は雪が降っていたの

にスッキリと晴れた夕空は明日から大荒れにな

るなんて想像も出来ないほど穏やかでした。

雑木林3

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雪化粧した雑木林は 少し青味を帯びて美しい

です。

ところが、不思議なことに雪が止むと枝や幹

に積もった雪はたちまち溶け始めます。まる

で木にも体温のようなものがあるかのように。

雑木林の大半は、落葉樹のため冬の間は葉が

ありません。生きてはいますが、半分は眠っ

ているような状態です。地中の根と幹の中心

だけで細々と命をつないでいるのです。

冬本番になって雪が頻繁に降ります。秋は珍

しいくらい雨が少なかったので雑木林の中は

パサパサに乾いていました。その分を補うた

めに降っているのかな?と最近思います。

水分があるうちに取り込んでおかなければ、

とまるで雑木林に意志があるように雪は溶け

て吸い込まれていきます。

私にとって雑木林は大変面白い場所です。

つかみどころのない大きな生命体のようです

が、クローズアップしてみると小さな生命の

集合体でもあって興味が尽きません。

天候によって、季節によっても表情が変わり

時には芸術作品のような顔を見せてくれる

不思議な存在です。

 

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ハボタン(葉)

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毎年ハボタンが植えられる場所は、日当たりが

あまり良くないため積もった雪がなかなか溶け

ずに残っています。

かき氷のような雪を載せたハボタンは、特に

痛んだ様子はなく元気そうで安心しました。

暖房の効いた部屋にいても寒い寒いと言ってい

る私は、このたくましさに脱帽です。

ハボタンは、アブラナ科のキャベツやケールの

仲間です。以前住んでいた場所は、野菜農家が

多い所で、冬になると広い畑一面がキャベツや

ブロッコリーで埋め尽くされた光景でした。今

ごろになると大きな畑にならんだキャベツを農

家の方が手作業で次々と収穫していたのを思い

出します。畑の角には直売所もあってとれたて

の野菜も売っていました。キャベツ、ブロッコ

リー、大根、ニンジン、ネギなどこの時期の野

菜は、霜に当たってどれも甘味があって柔らか

く美味しかったです。だいたいどれも100円と

いうのも魅力でした。

朝、霜柱が立つ黒いフカフカの土も昼は遮るも

ののない日当たりの良い場所に変わります。黒

土は太陽の熱を吸収して地面の温度を上げ、野

菜たちの生長を促していたのだと思います。

ハボタンを見る度に、あの美味しかった、広い

キャベツ畑を懐かしく思い出します。 

 

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有明月

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夜明けの空に浮かんでいる月。

雪が降らない夜は冷え込みが厳しいです。

結露した窓はガチガチに凍りついて開かなく

なります。

夜中に星を見ることも叶わなくなり、温かい

布団に早々に退却するしかありません。

お正月は苦手です。

そもそもいつものリズムが崩れることが苦手な

人間です。じゃあ、休みはいらないのか?と

問われると困るのですが、休みと言っても食事

の用意や洗濯はしないわけにはいかず、結局

休みの時の方がやることが増えて疲れてしまっ

たりします。その上、今年は連日の雪と厳しい

寒さで滑って転ばないように歩くだけでも気を

遣います。とうとう3日目に身体が悲鳴を上げ

ていつもの頭痛が到来しました。ぼんやりした

頭で必要最低限のことを片付けると夜8時には

布団に潜り込んで寝てしまいました。

時折り凍りついた道をバリバリと音を立てて

車が通り過ぎる以外静かな夜。昏々と眠り続け

て目が覚めるといつもの日常が戻っています。

月がいつもより明るく感じたのは雪のせいでし

ょうか?健康第一!と思った朝でした。

アオキ(実)

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冬の雑木林の中で青々とした実を光らせて

いるのはアオキの実です。

この時期、雑木林はほとんど生き物の気配も

なく静かで冷たい空気に満ちています。

アオキは、常緑の低木で四季を通じて葉も枝

も緑色なためつけられた名前です。

日陰でも育つため、雑木林の大きな木の足元

やスギ林などで普通に見かけます。

アオキの青い実は、これから春に向けて段々

赤く色付いてきます。青いうちはえぐみや苦

味が強いらしく、鳥たちも食べませんが春が

近くなり赤くなるとヒヨドリくらいの大きさ

のくちばしを持つ鳥たちの食料となります。

艶のある葉と赤い実はもう少し早く熟してい

ればクリスマスの飾りにピッタリだろうなぁ

と思うほどピカピカして美しいです。もっと

も、アオキ自体は日本原産の樹木ですから

クリスマスには関心がないと思いますが。

アオキに限らず木々との出会いは、ちょっと

タイミングがずれただけで花や実が見られた

り、見られなかったりします。その年の季節

の進み具合によっても生長はまちまちです。

何事も結果は、私たちが、忘れた頃にやって

来るということです。