淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

チューリップ(花)

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今年は、チューリップが咲くのが早いような

気がします。

冬にたくさん雪が積もってしっかり寒さに当

ったためでしょうか?

花屋さんでは、年末からチューリップが売ら

れています。今は、温室で自在に温度管理して

花を咲かせることが出来るのでたいていの草花

は季節を問わず育てることが可能です。

チューリップも一度冷蔵庫で人工的な冬の寒さ

を体験させた後、温室で育てることによって、

年末の寒い時期から花を咲かせることが出来る

ようです。

茎の割に大きな花を持つチューリップは案外活

けるのが難しい花です。上手く活けられた!

と思ってもしばらくして見ると全然違う方向を

向いていたり、ひっくり返っていたりします。

土に植わっている時は、しっかりとバランスを

保っているのに花瓶に活けると暴れてしまうの

はどうしてでしょう?  

チューリップの故郷は、トルコを中心とした中

央アジア周辺といわれています。昔、テレビで

原産地で咲く原種のチューリップを見ましたが

形はチューリップでもミニチュアのように小さ

な植物でした。

大地から切り離されてしまったチューリップの

花が不安定なのは、人間の様々な欲望を花の中

に託されて、健気に咲いているからかもしれま

せん。

 

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フジザクラ(花)

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庭のフジザクラが満開になりました。

数年前、スーパーの店頭で売れ残っていた細い

苗木を見てシーズンが終わったら廃棄されてし

まうのだろうと思ってつい買ってしまったもの

です。私のおこずかいで買えるくらい値段が下

がっていたのも思い切れた要因です。

もう、庭は満席だったのですが、花も木も小型

なため、なんとか庭の東側にスペースを見つけ

て植えました。

フジザクラは、富士山周辺に分布する野生種の

サクラで、マメザクラとも呼ばれます。栄養分

の少ない土地と寒さに適応して高山でも生き抜

くように進化したそうです。偶然ですが、私が

今住む場所にピッタリな品種です。

冬の間は、しっかりと茶色い殻に守られて雪が

降り積もってもじっと耐えていた花芽は、お彼

岸を過ぎた頃から少しずつ膨らみ始めました。

4月に入るとみるみるピンク色の雫型の蕾が現

れ、次々とほころんできました。小さな花は、

全てうつむいて咲くので豪華とは無縁ですが、

可憐な乙女のような印象を受ける花です。

今年も元気に咲いてくれたこのサクラを見てい

ると、私も頑張っているから貴方も頑張って!

と励まされているように見えるのです。

 

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ラッパスイセン(黄花)

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公民館の前庭のラッパスイセンが、咲き揃いま

した。

ずらりと並んだ黄色の花は、風に煽られながら

もしっかりと立っています。この花は、中心の

ラッパの部分(副花冠)が一番濃い黄色で外側

に向かって段々と薄い黄色になっています。遠

くからではただの黄色のラッパスイセンに見え

たのですが、近づいて見たら黄色のグラデーシ

ョンになっていることがわかりました。100個

以上ありそうな黄色いスイセンは、春を歓迎し

ているように楽しげに見えます。

温かくなって隣りの公園にも子供たちの声が戻

ってきました。相変わらず、コロナウィルスは

猛威を振るっていますが、エネルギーに満ちた

子供たちを家に閉じ込めておくのも限界がある

のでしょう。子供は、重症化しないという説も

あるようで、だったら無闇に隔離しておく方が

問題なのかもしれません。

最近、コロナウィルスは、次々と変異している

ようです。スイセンに様々な品種があるのも遺

伝子を変異させた結果です。同じ遺伝子の組み

換えでも人々にとって迷惑な時と喜ばれる時が

あるのだ、と思うと複雑な気持ちになる今日此

の頃です。

 

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ユキヤナギ(花)

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父が、ユキヤナギにも香りがあるとテレビで言

っていたよ、というので庭に行って確認してみ

ました。

すると確かに良い香りがします。今までユキヤ

ナギの香りを意識したことがなかったので少し

意外な感じがしました。

ユキヤナギは、厳密にはヤナギの仲間ではなく

バラ科の植物です。ヤナギのように枝が柔らか

くしなっている様子からヤナギと名前がついた

ようです。小さな真っ白い花を枝一面につけま

すが、1個1個の花をアップで確認すると確か

バラ科のウメやサクラの花に共通する特徴を

備えています。

花が咲き出す時期は、だいたいサクラが咲く頃

と一緒でせいぜい1.5mくらいにしか高くなら

ないのでサクラの下に植えてあるとピンクと白

コントラストが大変美しく、絵になる風景と

なります。

サクラが、花吹雪を散らす頃、ユキヤナギも忠

実な家臣のように白い花びらを散らして、後を

追うように去っていくのです。 

 

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オオイヌノフグリ(花)

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春先は、寒さに縮こまっていたオオイヌノフグ

リも今はのびのびと至る所に咲いています。

緑の中に点々と青い小さな花が散りばめられて

いる様子は、まさに私好みの花模様。

もうずいぶん、長いことスカートというものを

はかなくなってしまいましたが、こんな模様の

スカートやワンピースがあったらいいなぁと

しばし妄想します。

不思議なことに若いお金のない頃は、色々な服

が欲しくてとっかえひっかえ沢山のものを所有

していました。でも、今は動きやすいシンプル

な服が各シーズン数着ずつあれば満足だと思っ

ています。 

それだけ年を取って体力がなくなったというこ

とでしょうか。でも、私より年長の両親たちは

私より遥かに大量の着もしない衣類を持ってい

るのはなぜなんだろう?(所有していることす

ら忘れられてしまっている服も多々あり)

大量生産、大量消費の夢の果てに今の私たちが

あるということでしょうか?

私は、ミニマリストでもなんでもありませんが

所有しなくても自然はいつでも私に十分なもの

を与えてくれていると今はわかっています。

 

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ジンチョウゲ(花)

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若い頃、住んでいた町ではジンチョウゲが咲く

のは2月下旬から3月上旬ごろでした。

今住んでいる町では、3月下旬から4月上旬。

丁度、1ヵ月遅れです。

そもそも常緑樹のジンチョウゲにとって、この

寒く乾燥する地方は、厳しい環境です。

ジンチョウゲは、元は中国南部から室町時代

日本へ渡って来たと言われています。ツヤツヤ

とした葉は水分をたっぷりと含んでいる証拠で

温かい湿潤な気候で育つ樹木の象徴です。

春、気温と湿度が急上昇して来ると共に花を開

き、甘く気怠い香りを周囲に漂わせて春の訪れ

を周囲に知らせる花です。

本来、栽培に向かない当地にも少しずつジンチ

ョウゲが増えているのは、この香りが春を待ち

望む気持ちを代弁しているからではないか、と

私は想像しています。

松任谷由美さんの「春よ、来い」で見事に表現

されているジンチョウゲの咲く情景は、関東地

方を中心としたものだと思われます。しかし、

歌というものは、人々に自分の庭でも同じよう

なイメージを再現したいと思わせる、不思議な

力を持っているようです。

タチツボスミレ(花)

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雑木林の陽だまりでは、今年もタチツボスミレ

があちらこちらで花を咲かせています。

いったい今までどこに隠れていたの?と思うほ

ど温かな斜面のあちらこちらに顔をのぞかせて

います。

タチツボスミレを初めて見たのは、光化学スモ

ッグが問題になるような町から同じ県内でもか

なり、のどかな町に引越した頃でした。

それまで住んでいた家の裏にも小さな竹藪があ

り、それなりに小さな自然が身近にあったので

すが、新しい家のすぐ隣は、大きな雑木林が連

なっていました。

小学校低学年の私は、これまで以上に広い自然

に魅了され、毎日、雑木林の探索に明け暮れま

した。初めて迎えた春、野生のスミレというも

のに生まれて初めて出会い、それがタチツボス

ミレという名前で、無尽蔵にあることがわかっ

た時の嬉しさは、今でも憶えています。

そのうち種が何かに運ばれて来て、庭でもタチ

ツボスミレは咲くようになりました。春の一番

身近な花として、今では何十年も一緒に暮らし

ています。

乾いた都会では見ることが、出来ませんが、日

本の野山には必ずある、このスミレと毎年、春

を祝えることは私の小さな幸せです。 

 

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シダレザクラ(花)

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月が替わり、両親のかかりつけ医に行くと駐車

場が、混んでいていつもと様子が、違っていま

した。クリニックという名称の割に、建物が、

大きく、最近は流行っていない様子が、ありあ

りとわかり、いつもガラーンとしている病院。

今回は、薬だけではなく診察も受けるというの

で私は隣のスーパーで買い物をして入り口で待

ち合わせていると父の表情が明らかに険しくな

っており、怪訝に思っていると、とうとうその

病院が破綻してしまったとのこと。小心者の父

は、早く帰りたい!と焦っていますが、薬局が

激しく混雑していて薬の順番がなかなか回って

来ないことに苛立っています。

正確には、病院は、別の法人が引き継ぐようで

す。従って、私たち患者には特に支障はないは

ずですが、父は、かなり動揺しています。良く

ないことが起きた場所にいると、自分にも良く

ないことが伝染すると信じているのです。

病院が破綻するなんて都会ではよっぽどのこと

でしょうが、人口が減っている地方では、これ

から益々増えるんだろうなぁと私は父と反対に

冷めた目でとらえています。

駐車場の入り口で咲き誇っている、満開のシダ

レザクラが、場違いなほど物悲しく目に焼き付

いた日でした。

 

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ショウジョウバカマ(花)

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つい1週間前までは、ロゼット状の葉の中心

が、ほんのりピンク色に色付いただけでした。

それが、ここ2,3日の暖かさでグングンと

茎を伸ばしてあっという間に開花しました。

昨年、大きくなり過ぎた庭の2株を分割して

裏庭に移植しました。上手く根付いたか心配

していましたが、無事花も咲き安心しました。

野生のショウジョウバカマを見なくなったので

もっと増えたら雑木林に移植しようかと思った

りもしたのですが、先日記事にしたカタクリ

見に行ったら誰かに掘られたようで跡形もなく

なっていたので植えてもダメかなぁと思ってい

ます。

都市部からここへ越して来て驚いたのは、ここ

の人が自然環境を大事にしていないことです。

お金になるならなんでも売り払ってお金に換え

てしまう感じなのです。山野草や山菜ばかりで

なく、防潮堤を作る材料として近くの山は日々

削り取られ、ダンプカーで海の方へ運ばれて

います。そのうち津波より恐ろしいことが起こ

るのではないか、と痛ましい山肌を見る度に恐

怖で胸がふさがれるのです。

 
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シダレヤナギ(花)

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歩いていると公園のシダレヤナギの木が芽吹い

ているのが見えました。

ついこの間までは、枯れ枝のようだったのに萌

黄色に染まっています。近づいてよく見ると葉

だと思っていた萌黄色の塊には花もついていま

す。花は、ネコヤナギに似ていますが、ネコヤ

ナギのような産毛はついていません。

上から下までズラッと並んだ花はゆっくりと風

に揺れていて見ていてあきない心地良さがあり

ます。きっとこれも1/fのゆらぎのためなの

でしょう。

1/fのゆらぎとは、人の心拍、小川のせせら

ぎ、ロウソクの炎の揺れ、木漏れ日の瞬きなど

不規則だけれど心地良いリズムのことですが、

それらを外界から感じると、人間の生体が共鳴

して自律神経が、整えられ心地よく感じるそう

です。

芽吹いたばかりのシダレヤナギとサクラの花の

取り合わせは、春の好きな風景の1つです。サ

クラの花もようやくほころんで、パステルグリ

ーンとピンクの目に優しい共演も、もう間もな

くです。