淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

スイカズラ(花)

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スイカズラは、日本中の山野で見られるツル

性植物です。この辺りでは5月下旬から6月

にかけて花を咲かせています。

咲き始めは純白の花が、日が経つにつれて黄

色味を帯びて新しい花と一緒に咲いている様

子を金と銀になぞらえて金銀花という別名も

持っています。

葉の裏面には細かい産毛があり、触ると少し

チクチクしますが、雨が多くなるこれからの

季節、水を弾く役目を担っています。

スイカズラの英名は、ジャパニーズ・ハニー

サックルです。花の付け根に甘い蜜があり砂

糖がない頃の日本では砂糖の代わりにもなっ

ていたそうです。かなり大昔の話ですが、小

さな花から蜜を集めるのは大変だっただろう

なぁと思います。

丈夫で寒さにも強く、欧米では花色も白だけ

ではなくピンクやオレンジなどに改良されて

鑑賞用に大人気だそうですが、最近は、クズ

などと共に繁殖力の強さが仇となって困った

植物の仲間入りしているそうです。

自然というものは、人間が考えるよりもずっ

手強いものだということを忘れると後で大き

なツケを払うことになってしまうのです。 

 

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ムシトリナデシコ(花)

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ムシトリナデシコの花は、たくさんの花が集

まって出来ています。花の付け根の茎はベタ

ベタしていてこれが花の名前の由来となって

いますが、実際には虫を捕獲して食べたりす

ることはありません。ベタベタの粘着力も弱

く大抵の虫なら逃げてしまえる程度のもので

す。

花は濃いピンク色が主ですが、中には白い花

もあるそうです。江戸時代に観賞用として入

ってきたものが、今では道端や空き地などに

野生化しています。日本に元々あるナデシコ

よりも花期が早く、花色が濃くくっきりした

花は最初は珍重されたのでしょう。

今年は、私の住む地方は少し梅雨入りが遅れ

ている感じですが、晴れれば強い日差しが容

赦なく照りつけるようになりました。多くの

花が日中はグッタリしていますが、ムシトリ

ナデシコは、強い光にも負けずにショッキン

グピンクの花を凛と立てて咲いています。

それを目にする度にこの季節にピッタリの花

なんだなぁと思うのです。

ジューンベリー(実)

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今年はジューンベリーが熟すのが早いよう

です。どこの家の木も実が赤く色付いてい

ます。

4月下旬に白い花を咲かせ、2ヵ月経たない

うちにもう色付いた実と青い実が混在してい

ます。花の頃は、一枚も無かった葉はたっぷ

りと木全体を覆っており、葉陰から見える赤

い実が点々とアクセントになって季節外れの

クリスマスカラーのようです。

私の住む地方は、まだ梅雨入りしていません

が、ようやく日中は半袖で過ごせるようにな

りました。日本列島の半分では真夏並みの気

温になっていると聞きますが、ここはせいぜ

い20度を少し超えるくらいしかなりません。

まさにジューンベリーの故郷と同じような気

候です。

寒いのと暑いのどっちが好き?と聞かれたら

私は、暑い方が好きですが、最近の暑さは尋

常じゃない上に今年もマスクが外せない状況

です。気温が上がる地方にお住いの皆さんの

苦痛はいかばかりかと北国のすみっこからハ

ラハラしています。

どうぞ皆様ご自愛くださいますように。

 

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ハマナス(花)

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今年のハマナスは、開花が早かったです。

田んぼに下りて行く途中の家の庭先と裏庭に

それぞれ1本ずつ植わっているのを毎年、見

ているのですが、両方とももうほぼ終わりで

す。

花数は、昨年の倍以上で大豊作でしたが、果

たして、このうち実がなるのはどのくらいで

しょう。 自分の持ち物でもないのに妄想を膨

らませて楽しんでいます。

真冬、ハマナスの木は全身トゲだけの毛むく

じゃらの黒い枝だけの姿でした。どこにこの

美しい花が隠されていたのだろう?と思うほ

どグロテスクなものでした。今、緑色の葉と

鮮やかな花に覆われたハマナスは見違えるよ

うに美しいです。

朝日を受けたハマナスは、まだ半分開き始め

たばかりです。花びらには朝露の雫が載って

昼間とは別の表情を見せています。

周囲の雑木林からホトトギスやウグイスの鳴

き声だけが聞こえる朝の散歩は、誰に気兼ね

することなく心を伸び伸びと広げられる貴重

な時間です。そこに美しい花が添えられれば

他には何も必要ありません。 

 

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オリーブ(花)

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少し前、オリーブの花が咲いているのを初め

て見ました。

オリーブは、地中海沿岸が原産の常緑樹のた

め、私の住む北国では育たないと思っていま

したが、最近は庭に植えているお宅をよく見

かけます。葉の形は品種によって様々ですが

質感はちょっと同じ地中海産のゲッケイジュ

に似ているなぁと思います。 

オリーブは、西洋文化では、ノアの箱舟の話

にも登場する馴染みの深い木ですが、私が箱

舟の話を本で読んだ頃は、「オリーブってど

んな木?」っていうレベルで木も実の見たこ

とがありませんでした。

その後、イタリア料理の普及でオリーブ油が

健康に良いことやオリーブの実の塩漬けが普

通に売られるようになり、そのうち園芸店で

苗木も見かけるようになりました。

テレビなどで観た地中海のオリーブの木は太

くてかなりの大木です。木材としては木質が

締まっていてまな板や調理道具に最適だそう

です。ただ重いのが難点です。

花色は、黄色から淡黄色まで品種によって色

々ですが、モクセイ科だけあって花の形はキ

ンモクセイとよく似ています。

今のところ当地は、雨と晴れの割合が程々な

ので、もしかしたら私の見たオリーブの木

実をつけるかもしれません。そうなったらい

いなぁと思って時々観察しています。

 

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ノイバラ(花)

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6月は、雨の季節で季節の花は、アジサイ

のかもしれませんが、私の住む地域はようや

くバラの季節を迎えました。

どこの庭でも豪華なバラの花が、色とりどり

に咲き誇っています。

ノイバラは、この辺りの日当たりの良い野原

や道端でよく見かける野生のバラです。庭で

咲き誇る豪華な園芸品種のバラたちの品種改

良に使われたり、丈夫な性質を買われて台木

になったりしています。花には、良い香りが

あり、実は、ローズヒップと呼ばれ、食べた

り薬用にしたりもされます。

バラと聞くと花びらが、何枚も重なったボリ

ュームたっぷりの花を思い浮かべる方も多い

かもしれませんが、ノイバラは簡素な一重咲

きの花です。その代わり、次々と花をたくさ

ん咲かせるのが特徴です。花には、昆虫たち

が集まり、秋には小さな赤い実がたくさん実

ります。

バラというと西洋から入ってきたイメージが

ありますが、ノイバラは、万葉集にもウマラ

またはウバラと呼ばれて登場しています。

飾り立てた華やかさはないけれど、生きて行

くのに必要な力は全部揃えている 、ノイバラ

は、そんな花です。 

 

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ヤマボウシ(紅花)

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ヤマボウシの花が、山肌を彩る季節となりま

した。

普通、雑木林で見かける野生のヤマボウシ

白い花です。ところが、最近住宅街でピンク

色の花のヤマボウシをよく見るようになりま

した。 この辺りでは、庭木としてもヤマボウ

シを植えている家が多いのですが、ピンク色

の木を植えているのは新しい家が多いです。

調べて見るとサトミ、ベニフジなどの品種が

あるようです。エゴノキもピンク色の花が咲

く品種が出てきていましたが、ヤマボウシ

で紅花があるとは驚きです。

注意して見ていると、白い花のヤマボウシ

も日にちが経ってくると白い部分が赤味を帯

びてきているのに気づきます。白く見えても

遺伝子のどこかに赤い色素を持っているので

しょう。

草木を商売にされている園芸家は、熱心に新

しいヒット品種を開発しています。私が気づ

く前にすでに赤い色素に注目していたのだと

思います。でも、私はやっぱり白いヤマボウ

シの方が好きだなぁと思っています。

 

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クロタネソウ(花)

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ついこの間まで小さな苗だったクロタネソウ

が、花を咲かせ種を付け始めました。

秋に種を蒔き、冬の間は5㎝ほどしかない苗

は、雪が積もってじっと耐えて枯れることは

ありません。 葉も茎もか細いのにこの強さは

どこに潜んでいるのだろう?といつも不思議

に思います。

5月に入ると急速に背丈を伸ばし始め、蕾が

見え始めましたが、そこからまた花が開くま

でしばらくかかります。相変わらず、葉も茎

もヒョロヒョロですが、強風に吹かれても倒

れたりせず、引っ張っても根がガッシリ張っ

ていて簡単に引き抜くことも出来ません。繊

細な外見とは大違いです。

5月下旬、ようやく開花が、始まりました。

花は、ここでも一気には開きません。一日毎

に花が、膨らみ、徐々に開くのです。そして

花色も日に日に変化してきます。

この株は、最初白い花でしたが、段々とピン

ク色の部分が多くなり、中心の雌しべの部分

が大きく膨らんで種を作っています。

花によっては一気呵成に一生を終えてしまう

ものもありますが、クロタネソウはそれとは

正反対です。半年以上の月日をかけてじっく

りと地中に根を張り、一日一日を濃く大切に

生きて次世代に命をつなぐのです。

 

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スギナ

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日中どんなに暑くなろうと、明け方はグッと

冷え込むためあぜ道の草はしっとりと濡れて

います。

道の脇には自然と出来た小高い丘がいくつも

あって朝日が当たってキラキラと輝いて見え

ます。近づいてみるとそこは一面スギナに覆

われているのです。

ミニチュアの竹林のようなスギナの群落は、

茎の節々に小さな水滴を載せて立ち並んでい

ます。

ようやく、山の端から顔をのぞかせた太陽の

光が、丘のスギナを照らし始めると水滴は光

を受けてビーズかスパンコールのように反射

して光ります。毎年見る光景ですが、その美

しさにしばし見とれてしまいます。

冷え込んだ朝は、寝床で明るくなり始めたの

を感じても、今日は散歩はパスしようと思っ

てしまいます。 温かい布団の中でもう少しゆ

っくりしていたいと思う誘惑は、強敵です。

なんとか寝惚けまなこで外に出ると、外の冷

気で一気に目が覚め、田んぼに下りて行くと

飛び込んでくるのがこの美しい光景です。

やっぱり早起きして良かった!と思うのは

こんな時です。

 

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ツクバネ(雌花)

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昨年の初冬、池の側で見つけたツクバネの木

を見ると枝の先端に花が咲いていました。

ツクバネは、雌雄異株の落葉低木で私の見つ

けた木は、実のなる木なので当然花も雌花で

す。花と言っても葉と同じ緑色で、良く見な

ければ花とは思えないような目立たない様子

をしています。

実がなるということは、近くに雄花を咲かせ

る雄株があるはずですが、イノシシ除けの柵

が、張り巡らされてるため林の奥には入れな

いようになっています。仕方ないのでネット

で検索した雄花の写真で我慢しています。

ツクバネは、針葉樹に寄生する生態のため実

を手に入れたとしても簡単には栽培出来ない

樹木です。それでも熱心に栽培記を書いてい

る人のブログがヒットしてその悪戦苦闘ぶり

に頭が下がる思いがしました。

実際の羽根つき用のツクバネは、ムクロジ

実に羽根をつけたものを使います。今冬も殺

風景な冬の雑木林の中で、ユニークな実を見

られるのを今から楽しみにしています。

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