淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

シラカバ(裸木)

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夜の間にまた雪が積もりました。

今年は、雪の量は今のところ昨年より少ない

感じです。気温が低いため軽くサラサラとし

ていて風が吹くと簡単に飛ばされてしまいま

す。今日もとりあえず車の上と周囲の雪を片

付けて近所の散歩に出かけました。雪を片付

けている間に青空が広がり、木々に積もった

雪はほとんど吹き飛ばされてなくなっていま

す。

雪に洗われた空の青さに見惚れているとその

下にあるシラカンバの白い樹皮が大変美しい

ことに気が付きました。

シラカバは本当はシラカンバという名前の木

ですが、多くの人はシラカバと呼びます。名

前の通り樹皮が白く、葉のある季節は緑の葉

と白い樹皮のコントラストで一目でそれとわ

かる木です。比較的寒い気候を好むため、高

原や標高の高い場所、緯度の高い地方に分布

する樹木です。

近所のシラカバは、1本だけポツンと立って

いて普段は目立たない存在です。ところが澄

み切った青空を味方にして立つと急に存在感

を増して私に迫って来ます。青空とはなんて

心強いものなのだ!と思った瞬間でした。

ナンテン(実)

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鈍色の空の下て珊瑚玉のように光っているナ

ンテンの実は、冬の風景に唯一華やぎを添え

ています。

梅雨の時期、雨に濡れながら咲いていた花は

今、たくさんの実に変わりました。

ナンテンは、常緑低木のため冬でも葉が枯れ

ません。ただ私の住むような寒い地方では、

寒さで葉の縁が赤や茶色に色付いているのを

よく見かけます。一冬の間に幾枚かの葉は、

寒さの犠牲になって散っていくのです。

そうは言ってもナンテンは、大変丈夫な木で

す。放っておいても春先になると幾本もの枝

を脇から伸ばし、若い葉を盛んに茂らせて冬

に減ってしまった葉数はあっという間に挽回

されます。

かつて住んでいた家の庭では玄関横にナンテ

ンを植えていましたが、毎年切らないと玄関

が暗くなってしまうほどでした。ナンテン

幹を切ると中は鮮やかな黄色だったのを憶え

ています。なぜ黄色いのかは調べてみたので

すが、未だにわかりません。

葉には、微量の毒があるのですが、これがか

えって食品の防腐に役立つということで高級

なお弁当などには本物の葉が添えられていた

りお赤飯の掛け紙にナンテンの絵が描かれて

いたりします。

今年も1年無事に過ごせるようにお正月の花

ナンテンの実を必ず添えるのは、私の密や

かなおまじないです。

 

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ヤブコウジ(実)

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ご近所のヤブコウジが色付いて、お正月を迎

える準備万端といった感じです。

ヤブコウジは、全長20㎝前後の常緑小低木で

す。こんなに小さいのに一応、木なのです。

普段は小さく目立たない存在ですが、冬の最

中にツヤツヤとした真っ赤な実が熟すと俄然

目につくようになります。

ヤブコウジの別名は、ジュウリョウ(十両)で

す。マンリョウ、センリョウなどと共にお正

月の縁起物として寄せ植えにされ、花の少な

い時期に重宝がられています。日陰や寒さに

も強くコンパクトに鉢植えで観葉植物のよう

に楽しむことも可能です。

日本人は、小さなものを作るのが得意といわ

れています。江戸時代から続く古典園芸植物

であるヤブコウジは、まさにカワイイが大好

きな日本人のハートを刺激する要素を凝縮し

た植物だなぁと思います。

一、十、百、千、万。上を見たらキリがない

ので私には十くらいの幸せが丁度いいかも?

と思って今年も終わります。

今年も拙いブログにお付き合い頂きありがと

うございました!

 

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卵鞘(らんしょう)

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先日、近所の公園の草むらの中にカマキリの

卵があるのを見つけました。

枯れたススキの茎に産みつけられた卵は大人

のヒザくらいの高さの位置。言い伝えによる

とカマキリの卵が高い位置に産みつけられて

いる冬は、大雪と聞いていたのでこの冬はそ

れほど雪は積もらないのかな?とちょっと安

心していました。

カマキリの卵のことは、専門用語では卵鞘(

らんしょう)というそうです。とても軽い空

気を含んだ発泡スチロールのような素材で出

来ていて、保温効果があるとのことです。こ

の中に100~300個の卵が入っています。調べ

たところでは、この写真の卵はオオカマキリ

の卵のようです。そんなにたくさんのカマキ

リが出てきたら大変!と思ったのですが、そ

の中で成虫になれるのは2、3匹だけ。ほと

んどは、途中で他の虫や鳥に食べられてしま

うのです。またカマキリ自身、生きたエサし

か食べない習性のため冬は卵の形で越冬する

しか生き残る道はないのです。

卵鞘を見つけた次の日、今年初めてのまとま

った積雪がありました。積もった雪は、まだ

ヒザよりも低い高さでしたが、カマキリの卵

の位置と積雪の量には関係性がないと知った

のはその次の日のことでした。

雑木林5

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このところ連日雪が積もっています。

午後にはバス通りなどの大きな道の雪は消え

るのですが、朝になるとまた真っ白になって

います。

我が家の車庫は屋根がありません。毎日積も

った分だけ雪を下しておかないといざ出掛け

ようとしても車を出すまでに大変なことにな

るのでこうなると毎日せっせと雪を下すのが

日課となります。まあ、冬はただでさえ運動

不足ですからこれで少しはカロリー消費にな

るかな?と思いながら頑張ります。

車の雪下しと周囲の雪かきを終えると冷えて

いた身体はかなり温まってきます。片付けを

終えると近くの雑木林まで行ってみました。

長靴の中でなぜか靴下が脱げてきてしまうの

を何度も直しながらやっと到着するとこの間

まで殺風景だった風景は一変して真っ白に雪

化粧していました。

空は青くなっているのにチラチラと雪は降り

続けています。晴れても気温が上がらないの

で、木々の雪が時おり吹く風に飛ばされて横

殴りに降りかかってきます。ダイヤモンドダ

ストではないけれどダイヤモンドダストのよ

うだ、と思いました。

冷えた足がジンジンするのを感じながら美し

い光景に見とれていました。

 

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ハチの巣

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冬になると他の季節には隠れていたものがあ

らわになる時があります。

先日はマツ並木の下を歩いてフッと上を見上

げるとアシナガバチの巣を見つけました。

木々に葉がある時は、葉が重なり合って見え

なくなっていたのでしょうが、葉が全て落ち

てしまったため取り残されてしまったのでし

ょう。

アシナガバチは、比較的おとなしいハチで人

間が刺激しない限り刺すことはないといわれ

ています。畑のガやチョウの幼虫を食料にす

るため、益虫と考える人もいます。

巣はハスの花托のような形をしており、女王

バチは冬眠から覚めるとたった1匹で小さな

巣を作り始めます。生まれた子供は働きバチ

となり、巣は段々大きくなっていきますがス

メバチの巣のように巨大化はしません。皮

肉なことに巣は同属のスズメバチに襲われる

ことが多く、しばしば幼虫は彼らの食料とな

ってしまいます。

今年の夏、我が家のベランダの下にもアシナ

ガバチの巣が出来ました。ベランダの下は、

両親が頻繁に出入りするので刺される危険性

があるため仕方なく市販の殺虫剤で駆除しま

した。

どんなに小さな生き物でも自らの手で命を奪

うということは、後味の悪いものです。そん

なことをつらつら思い出した年の瀬でした。

アオハダ(実)

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朝は雪、その後雨に変わって午後からは晴れ

てきました。

晴れて来ても一向に気温が上がらないので知

らず知らずのうちに小走りになってしまいま

す。夏ならすぐに暑くなってしまうのに歩い

ても歩いても温まってきません。

あまり遠くに行く気にもなれず、近所のバス

停まで来て上を見上げると葉を落としたアオ

ハダの枝に真っ赤な実が美しく光っているの

に気が付きました。

昨年は実がほとんど付かず寂しい枝だけの冬

でしたが、今年はたくさんの実がまだ鳥に食

べられずに残っています。

葉が残っていた秋の初めはクリスマスカラー

でしたが、今は晴れて来た青空をバックに枝

と共に激しく揺れています。よく見ると地面

にもたくさんの実が落ちて点々と赤くなって

います。晴れてくると共に冷たい風が吹いて

きたので出かけるのをやめようかと思いまし

たが、やっぱり出かけて来て良かったです。

この冬は、鳥たちも少し安心して過ごしてい

るのかもしれないなぁと思いながらまた小走

りで家に帰りました。

 

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セイタカアワダチソウ(実)

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空っぽの田んぼの脇では今、見上げるような

セイタカアワダチソウが種をつけています。

稲刈りが終わった田んぼを黄色の花でいっぱ

いにしていた風景は、もうありません。

ビッシリとついていた花は、フワフワの綿毛

に変わり羊のようです。手で茎を揺らすと綿

毛がハラハラと落ちて風に乗って飛んで行き

ます。

グレーというかベージュというか何かで染め

た色ではない、自然のままの色が美しく温か

い雰囲気を醸し出しています。

不思議なことにここのセイタカアワダチソウ

は、田んぼの中のものより背が一段と高いで

す。2m近くあってフワフワのボリュームも

たっぷりしています。日当たりが良かったの

か肥料が効いていたのか今となってはわかり

ませんが、こんなにたくさんの種をつけてい

るのですから来年もたくさんの子孫が芽を出

すことでしょう。

セイタカアワダチソウは、花が咲く直前の蕾

の頃摘んで入浴剤として利用すると体がポカ

ポカして温まるそうです。こんなにたくさん

あるのですから来年は、少し分けてもらって

試してみようかなと思っています。

今日の空97

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冬至を過ぎ、日の入りの時刻は少しずつ遅く

なっています。一方、日の出の時刻は来年1

月の上旬まで後ろに伸び続けています。実は

日本ではお正月頃が、一番日の出の時刻が遅

いのです。

よく晴れた冬の朝、起きて窓を開けるとまだ

空には太陽が昇っていません。東の空が薄赤

く染まり、黒い雲が影絵のように浮かんでい

るだけ。

肌を刺すように冷たい空気にブルブルとふる

え、慌てて窓を閉めると急いで顔を洗ってイ

ンスタントコーヒーにミルクをたっぷり入れ

て飲みやっと人心地つきます。

ラジオ体操を終えて身体中に血が巡り始める

頃、ようやく太陽が山の向こうから顔を出し

て来るのです。

ここでは冬の晴れた日は、貴重です。晴れて

いる間にバタバタと洗濯をし、掃除をし、少

しでも太陽の温もりを捕まえておかなければ

と焦ります。

気持ちが急く一方で、最近体は重くついてき

ません。これが老化というものなのでしょう

か?たまには何もしないで1日中ゴロゴロし

ていたいと思いますが、年寄り2人が代わり

ばんこに目の前に現れ、自分のペースで過ご

すことは出来ません。

離れて暮らしていたあの20年間は、夢のよう

に甘い時間だったのだなぁ、と今更ながら思

うのです。

ムクゲ(実)

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今年もムクゲにはたくさんの実がついていま

す。枝の先端に付いた実は乾いて割れており

中から黒い種がのぞいています。

たくさんのムクゲの実を見ながら盛夏の頃の

花を思い出しました。紙のような真っ白な花

中心が赤く周囲は薄紫色の花、どれも次々と

咲いて散っていきました。

当たり前のことですが、この実は花が咲いた

結果です。こんなにたくさんの花を咲かせた

のだなぁと思うと真夏のムクゲの生命力に驚

かされます。

先日、沖縄の風景をテレビで見ていたら沿道

に真っ赤なハイビスカスがたくさん咲いてい

るのが映りました。ハイビスカスは、ムクゲ

と同じアオイ科の植物です。気温は23度くら

いあるようでした。同じ日本でありながら、

私の住む場所とその場所は20度くらい差があ

ります。圧倒的に暖かいあの空と私の頭の上

の空が1つにつながっているとはにわかに信

じ難いことです。

私もあの暖かい場所へ行けば強い力が宿りそ

うな気がして、真っ赤なムクゲの花を見に行

きたい!と心の中で叫びました。

 

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