モミジイチゴ(花)
5月は、1年で一番好きな季節です。
天気が良ければどこを歩いてもキラキラして
見え、雨でもどこか優しい風景に見えるから
不思議です。
私が子供の頃は、イチゴは5月頃が旬だったと
思います。もちろん、クリスマスケーキの
イチゴはその頃からありましたが、果物として
生食するイチゴは、5月が値段も美味しさも
一番安定していたと思います。
普段、食べているイチゴは、草物ですが、木に
なるイチゴがあることを知ったのは小学校3年
生くらいだったと思います。雑木林の近くに
引越した春、木に生っているオレンジ色の実を
初めて目にしました。それがモミジイチゴで
した。
モミジイチゴは、普通のイチゴとは異なって
色がオレンジ色から黄色なので別名黄苺(キイ
チゴ)とも呼ばれます。5月下旬から6月に
かけて雑木林の縁の湿った場所に生える木々
に実がなります。高さはせいぜい2m位の木で
いつも食べているイチゴに比べるとすいぶん
小粒で食べ応えの点では不満が残るものです。
外国産の木苺のラズベリーなどと比べると実が
柔らかく水で洗うだけでもホロホロと崩れて
しまう繊細な果実です。
桜の花によく似たモミジイチゴの花を見つける
と、イチゴの味と共に一気に子供時代の甘酸っ
ぱい思い出が蘇ってくるのです。