アケビ(花)
アケビはつる性の植物で秋になると比較的
大きな実がなります。実の中には、黒い種
がたくさん入っており、種の周囲は甘いゼリ
ー状の膜に包まれています。昔、それは子供
たちのおやつだったそうです。両親たちは、
アケビをみると懐かしそうにそう話します。
アケビは4月頃から新芽を伸ばし始め、新しく
伸びたツルの付け根から花を咲かせます。花に
は雄花と雌花があり、この写真では下の方に
写っているのが雌花で上の方には雄花が集ま
っています。ちょっとマユミの実が弾けた形に
似ています。雌花は受粉すると半年くらいかけ
て実ります。種の周囲の甘い部分を人間の子供
たちや鳥に提供することで運ばれ、新天地に勢
力を広げていく仕組みになっています。
アケビのツルは、カゴ作りにも利用されてい
ます。昔は、農家の冬の副業として作る人が
たくさんいて上手な編み手があちこちの里山に
いたのですが、最近は作れる人が減ってしまい
カゴ自体、大変高価なものとなってしまいまし
た。軽くて丈夫なカゴはとっても重宝する物だ
ったのですが。。。
アケビ自体は、雑木林にまだたくさん茂ってい
るので材料はあるのですが、カゴを編む技術が
消えかかっているのは何とも惜しいことです。
たくさん花がついていても全部が実になるわけ
ではありません。はたして秋に何個の実がなる
のだろうか?と思いながらユニークな花を見上
げています。