カシワバアジサイ(花)
今年のひと際長い梅雨景色を彩ってきたカシワバ
アジサイの花も終わりが見えてきました。
すがれた美とは、このようなことをいうのかな
と思ってしみじみと眺めています。
このカシワバアジサイは、咲き始めは淡い緑色
で、ソフトクリーム状の花房が段々と盛り上が
って盛りの頃は象牙色でした。それが、盛りを
過ぎてうなだれて何度も雨に打たれている今、
薄っすらと紅が射し、弱い梅雨空の光の下では
何とも言えない風情を醸し出しています。
植物の1年は、人間の一生を凝縮しているよう
に見えます。 春夏秋冬一株のアジサイを見て
いるだけでも自分がどう生きていけば良いのか
教えられるような気がします。
四季に例えれば、私はもう中秋を過ぎつつある
のではないかと思われます。外見は衰える一方
です。これは、生き物としてどうしようもない
ことです。抗うのではなく、受け入れつつ、
このカシワバアジサイの花のようにどこか、
すがれた美しさを持つ老人になれたら、そんな
ことを思いながら終わる7月です。