クズ(花)
今年も雑木林の木々にクズの花がたくさん
絡みついています。
クズは、ツル性の植物で春になるとどこから
ともなく芽を出して周囲の木々に絡みつき少し
でも日当たりの良いところを目指して上へ上へ
と伸びていきます。大きな葉と強靭なツルは
絡みつかれた木々を時には枯らしてしまうほど
生命力が強いので立場によっては、有害植物と
みなす人もいます。
クズの花が咲き出したことは、大抵足元に花弁
が散っていることで気付きます。ああ、クズが
咲き出したのだなぁと見上げると葉陰から花が
のぞいています。少し薬臭い匂いがすることも
あります。葛根湯という漢方薬の原料でもあり
薬用植物としても利用されています。
また、その根は葛粉として和菓子の原料にもな
っています。かつては、ツルから獲られる繊維
も布やヒモとして利用されていたのですが、今
は、別の物にとって代わられてしまいました。
クズのような自然界のものを活用すればプラス
チックの問題ももう少し改善されるのではない
か、と思うのですが、美しい嫌われ者は、手間
がかかるということで打ち捨てられているのが
残念です。