ミヤマガマズミ(実)
春、たくさんの小花を咲かせていたミヤマ
ガマズミが、今は赤い実をつけています。
山にはガマズミの仲間がたくさんあります。
たいてい少し湿り気のあるヒンヤリとした
場所を好んで生えている木です。
赤い実がなっている部分が、春は小さな白い
小花の集まりとなっていました。
この花が見られるようになると山里も本格的な
春が来たと実感出来る季節となり、一番快適で
心弾む季節でもあります。
秋になり、紅葉には少し早い今の時期は、山は
夏の疲れを癒しているように活気がなくなりま
す。でも、よく見れば、少し早いですが、1年
の集大成となる実りの準備をしています。少し
ずつ実の赤さを増し、鳥や小動物、そして人間
たちに存在をアピールすることで新しい命が新
天地に旅立って行くのです。
一般的に植物は自由に移動出来ない、と思われ
ています。しかし、人間の生きている時間とは
全く異なるスパンで生きているということに気
付くと、せわしなく移動している私たち人間の
方が、案外気の毒な存在なのかもしれないと思
えたりもします。