キノコ17
秋のキノコのシーズンがやって来ました。
かつては、キノコは秋だけのものかと思って
いましたが、今年の梅雨時、雑木林に続々と
出現するキノコたちを見てからは梅雨時も
結構キノコが出るのだと知りました。
このところ、ようやく秋の長雨が終わったよう
なので久しぶりに雑木林の中を歩くと行く先々
でキノコに出会いました。
まだ落葉樹もほとんどの紅葉しておらず、薄暗
い林の中は、湿っぽくヒンヤリしていますが、
キノコはこんな環境が大好きなのでしょう。立
ち枯れした木にはもれなくキクラゲのようなヒ
ダ状のキノコが木肌を覆っています。立ったま
ま枯れて倒れない木もすごいと思いますが、な
ぜ、この木が死んでしまっているとキノコたち
にわかるのかも不思議です。
キノコは、ご存じの通り、種ではなく胞子で繁
殖していきます。胞子は顕微鏡で見なければ見
えないミクロの世界の生き物です。私がキノコ
に魅かれるのは、この目に見えない点が神秘的
に感じるからなのかもしれません。
キノコの傘は胞子を飛ばすために開くのですが
役目を終えると真っ黒になって溶けて消滅して
しまい跡形もなくなってしまいます。
煙のように消えてしまう一生に、私は憧れてい
ます。