冬バラ(花)
日に日に寒くなってきましたが、庭のバラが
1輪だけほころんできました。
淡いサーモンピンクの花は冷たい風に吹かれ
て薄紙のように透けています。
こんなに寒くなったのになぜ今更花を開こうと
するのでしょう。
空には絶えず黒い雲が浮かんでいて日が射して
いたと思うとすぐにまた翳ってしまいます。
バラの専門家は、冬はバラにとって大切な季節
だと言います。余分な枝を剪定し、肥料を与え
病害虫の駆除をしてバラを十分に休ませなけれ
ばならないと言います。冬に蕾を持った場合は
早めに切り取ってバラの体力を消耗しないよう
にしないといけないのです。
我が家では、基本バラは父が好んで植えている
ので父の好きなように任せています。ところが
父は剪定が一番苦手なのです。どんな植物でも
「いたましい」と言ってなかなか切ることが出
来ないのです。「いたましい」というのは父の
故郷の方言で可哀想、勿体ない、未練があるな
どのニュアンスがごちゃ混ぜになった気持ちを
表す言葉です。標準語の痛ましいとはちょっと
違う意味らしいです。
年々バラは弱っているように見えます。近いう
ちに枯れてしまうかもしれません。それでも父
が好きなようにするしかないと思っています。