雪山
家からは少し離れた雪山は、不思議なことに家
の近所からは見ることは出来ません。
車に乗って街へ出たり、スーパーの屋上に昇る
と遠くに連なる雪をかぶった山並みがようやく
見えるのです。
今日から3月です。今年は積雪が多かったので
まだまだ雪は消えることはないでしょう。
我が家のご先祖様の発祥の地は、今年は3mを
超える積雪だそうです。今は、1階を駐車場に
して2階を玄関にして出入りする家が多くなり
ましたが、昔は玄関を毎日雪から掘り出す作業
が欠かせない場所でした。
私から見たら気が遠くなるような雪の量ですが
田舎の人達は、「雪が多い年は豊作」とちょっ
と嬉しそうに話します。 途方もないほど大量
の雪に囲まれた方が安心で、雪がない方が不自
然で不安に感じるとは?
「もし雪がなければ土が凍って草も木も死んで
しまう。雪が毛布の役目をする」と言った
アメリカの絵本作家のターシャ・テューダーの
言葉にハッとしました。雪を敵視するばかりの
私の発想とは真逆の言葉に遠い祖先の想いを聞
いたような気がしたのです。
雪に守られているからこそ豊かな自然がある。
そんな簡単なことに気付けない私でした。