淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ラショウモンカズラ(花)

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午前中は日が当たり、午後から日陰になるあぜ

道周辺は、ラショウモンカズラが花盛りです。

ラショウモンカズラは、恐ろしい名前とは裏腹

の美しい青紫色をした花です。最盛期には30㎝

前後まで花穂が伸び、あぜの斜面に何本も立ち

上がって咲く様子は大変美しい光景です。

この辺りでは、4月下旬から5月上旬にかけて

花が咲きますが、花時以外は他の雑草に紛れて

ほとんど目立たない存在です。シソ科の植物は

春と秋にたくさんの種類が咲き、大抵は小さな

花が集まって花穂を作っていますが、この花は

花の一つ一つが大人の指先くらいの大きさがあ

り、大変目立ちます。

渡辺綱という武将が、羅生門で切り落とした鬼

女の腕に見立てて名前がついた、といういわれ

の花ですが、色といい、白い部分に入った模様

といい絶妙なバランスで鬼女とはいえ美しい姿

だったのでしょう。

野にあって名前などないまま咲いていた美しい

花は、どんな名前になろうと自分には関わりの

ないこと、といった風情で凛として風に吹かれ

ています。