ヤマフジ(花)
早朝散歩を再開しました。
歩いていると、山の斜面には至る所に薄紫色
のベールがかかっています。ヤマフジの花が
最盛期を迎えているからです。
ここへ来るまでは、フジの花と言えば、棚に
作って鑑賞する花だと思っていましたが、ヤ
マフジの花は、雑木林やスギ林に勝手気まま
にからみついて自由に咲いています。最盛期
には、遠くから見ても、山の至る所が薄紫色
に染まり、あちらこちらに霞がたなびいてい
るかのように見えます。その様子を見てから
フジの花に対するイメージが一変しました。
棚で人間に管理されている印象は微塵も感じ
られないからです。
藤棚に仕立てられるノダフジと比べると房の
長さは短いといわれていますが、それでも沢
山の花房が木々に下がって風になびいている
様子は何とも形容し難い美しさです。
太陽の光が大好きなヤマフジは、他の木々の
生長を阻害してまでも上へ伸びていきます。
自分が、からんだ相手のことなどお構いなし
で時には絡みついた木を絞め殺してしまうほ
どの生命力を発揮します。
ヤマフジは、美しさを超越した圧倒的パワー
を私に感じさせる少し怖い花です。