モミジイチゴ(実)
した。
オレンジ色の実は、摘むとホロホロと崩れて
しまうほど繊細です。
子供の頃は、それが面白くてたいして食べ応
えがないのに飽きずに摘んでは口に運んでい
ました。洗った方がいいのかな?と思って蛇
口の下へ持って行って洗うと流水の勢いに負
けて全て砕けて排水口に飲み込まれてしまい
それ以降、洗うのをやめてしまいました。
今から考えるとなんだか不衛生だな~と思い
ますが、子供というのはそんなことに頓着し
ません。特に、お腹を壊した記憶もないの
で大丈夫だったのでしょう。
花が咲いていた頃のモミジイチゴの周囲は、
まだ木々が芽吹き始めたばかりで雑木林も明
るい緑でしたが、今は深い緑に覆われていま
す。葉の陰に隠れるようになっている実は、
枝と葉をかき分けていくとようやく見つける
ことが出来ます。
わずかな木漏れ日に透かして見るモミジイチ
ゴの実は、今はもう取って食べたいとは思い
ません。むしろ、小さな宝石のようで光に透
かしてずっと眺めていたいと思うものです。