稲田
梅雨の間に成長したイネは、今、水面が見え
ないくらい青々としています。
その様子は、広角で見るときれいに整えられ
たサッカーコートのようだなぁと思います。
青々としたイネの下は、実際はズブズブの泥
ですからサッカーをすることは出来ませんが
なんとなくそんなイメージが浮かびました。
これから10日ほどの間にイネは、急速に太陽
のエネルギーを蓄えて穂が出て花を咲かせま
す。スギ林の濃い緑と雑木林の濃淡が入り混
じった緑が見守る中でグングン成長していき
ます。
朝、田んぼには霧がかかっています。
太陽が昇り、少しずつ空気が温まるにつれて
霧は晴れて風が吹き始めます。
日中の田んぼは、イネが本来熱帯地方の原産
であることを思い出させる暑さです。
ジリジリと鉄板で焼かれているように暑く、
生き物たちはどこか涼しい場所になりをひそ
めしまいます。そんな中でもイネは萎れるこ
とはありません。時折り田んぼの中を風が走
り去るのを波打って私たちの目に見えるよう
にしてくれるだけなのです。