ドングリ(実)
ドングリは、広い意味でのブナ科の果実の俗
称です。
秋の雑木林を歩いていると至る所でドングリ
が落ちているのに出くわし、知らず知らずに
踏んでしまいます。ゴロゴロとした足裏の感
触に気付いて上を見上げるとたいてい頭上に
はナラやカシワの木が茂っており、まだ枝に
ついたままのドングリも確認出来るのです。
ドングリは、地上に落ちると様々な生き物の
食料となります。リスやネズミの仲間、鳥類
の一部は広い集めたドングリを冬の間の食料
として丁寧に土に埋めてくれるものまでいま
す。地上に落ちたままだと乾燥して死んでし
まうドングリたちにとっては正に救いの神の
ような存在でしょう。
土に埋められらドングリたちの大半は、生き
物たちの命をつなぐための食料となってしま
いますが、そのうちのいくつかは忘れられて
春になると新しい木となって芽吹きます。
1本の親木から落とされるドングリの数は、
大木なら何千個にもなるのでしょう。しかし
そのうち若木となるドングリの数はわずかで
す。ほとんどは他の生き物の命を支えるため
に使われてしまいます。そのことに気付くと
改めて親木の気前の良さに驚嘆するのです。