ススキ(実)
晩秋の風を受けて気持ち良さそうにススキの
穂が泳いでいます。
今年は秋になっても比較的気温が高い日が多
いため、午後から散歩に出かけると西日が暑
く感じられることも多々あります。
日差しの下でススキの穂はキラキラと光って
見えます。空っぽになった田んぼを背景に、
長閑な午後の時間を気の向くまま歩くのは私
にとって幸せな時間です。
ススキは古くから日本を含む東アジアに生息
するイネ科の植物です。乾燥した野原では普
通に見られ大量に繁殖しているため、かつて
は家畜の飼料や屋根の材料として利用されて
いました。
茅葺屋根の茅とは、ススキを含むヨシやチガ
ヤなどの総称です。屋根に利用するためには
大量のススキなどの茅が必要です。そのため
に、昔は茅場というススキの草原を集落で管
理して今年はこの家、来年はあの家と順番に
屋根を葺き替えていました。茅葺屋根の一番
良い点は、廃棄物がほとんど出ない点です。
古くなった屋根に使われていた茅は茅場に返
せば肥料となり、家畜の飼料にもなります。
ゴミばかり排出している、現代の私たちの暮
らしは退化しているのでは?と思うのはこん
な時です。