淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ガマ(実)

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いくつかある散歩コースには、元々は田んぼ

だった所が今は耕作放棄地となっている場所

があります。

すぐ近くにはまだ田んぼもあり、湿った土地

のためどこからともなくガマの種が飛んでき

て秋にはガマの穂が何本も出来ました。

夏の間は草が茂り過ぎて入ることが出来ませ

んが、先日あぜ道だけが草刈りされたので近

くに行ってじっくり観察することが出来まし

た。

ガマの穂は、1本の上部が雄花の集まりの雄

花穂といい、下部が雌花の集まりの雌花穂と

いう構造になっているということを今回初め

て知りました。ということは、もう今は雄花

が散ってしまって受粉した雌花の集合体とい

うわけです。熟した穂をほぐすと綿のような

フワフワした毛をつけた種が無数に飛び出し

て来る仕掛けになっています。

ガマの雄花から出る花粉には薬効があり、蒲

黄(ほおう)といい傷薬として使われます。

有名な因幡の白兎の話で大国主命が、皮をは

がされたウサギにガマの穂で治療するよう教

えるのも単なる神話ではなく大昔の人々が経

験から編み出した生きる知恵を物語っている

のです。