ミツマタ(蕾)
春にミツマタが咲いていた庭を通りかかると
すでにしっかりとした蕾が出来ていました。
花が咲き出すのはこれからまだ3ヵ月くらい
先ですが、もう準備万端といった感じです。
春に花を咲かす花木の多くは秋に葉を落とす
と同時に花芽の準備を終えています。花が先
に咲いてから葉が出る種類が多いのも春の花
木の特徴の1つです。
ミツマタも黄色いボール状の花の塊を咲かせ
た後、枝の先端に葉を広げて春から秋までを
過ごします。あまり大きくならない落葉低木
のため個人の庭で楽しむには最適の庭木です
が、元は紙の原料として盛んに栽培されてい
ました。花は、黄色いものが一般的ですが、
最近はオレンジ色のものもあり、これも庭木
として需要が高まった結果改良が進んで生み
出された新しい花です。
ミツマタをはじめとした樹皮から作られる和
紙は、大変丈夫なことで知られています。和
紙で作られる衣類を紙子(かみこ)と呼びま
すが、この衣類は風を通さず軽く温かいため
かつては大変重宝したそうです。
これから益々寒くなる冬を乗り越えていち早
く春を告げてくれるミツマタは、花だけでな
くもっと実用的な面で活躍してくれそうな気
がします。