ナツツバキ(実)
夏に清楚な花を咲かせていたナツツバキは、
今は茶色い硬い実をつけています。
この実は柔らかい花からは想像出来ないくら
い硬く、手で割ろうとしても簡単には割れま
せん。
冬の初め頃になるとナツツバキの実は先端が
自然に開いて割れてきます。あんなに硬かっ
た実が、空気の乾燥と共に少しずつ開いてく
るのです。自然の摂理とはなんとも不思議な
ものです。
この果実の中には平べったい種が入っていま
す。外側の硬い殻自体は、春まで残っている
ことが多いですが、中の種はいつの間にか鳥
や風に運ばれて春までにはなくなってしまい
ます。
夏の間、美しい緑色をしていた大きめの葉は
黄色から橙色に色付いて冬には全て落ちてし
まいます。樹皮は少しずつ剥がれ落ちてサル
スベリの幹のようにツルツルしてきます。
寒い冬を裸で過ごすなんて寒くないのだろう
か?と思うのですが、真っ直ぐに天を衝く幹
は枝の先端に冬芽を用意してただひたすら春
を待っているのです。