ヤブツバキ(花)
晴れていても外に干した洗濯物は凍るような
寒さです。そんな中でもヤブツバキは毎日少
しずつ花を咲かせています。
暗緑色の葉は寒さに当たっても痛まないよう
に硬いクチクラという丈夫な膜で覆われてい
ます。クチクラというのはラテン語で英語で
はキューティクルといいます。そうです、皆
さんご存じの人間の髪の毛の表面を覆ってい
る天使の輪を作る物質です。
人間の健康な髪の毛が光に当たると天使の輪
を作るように、ツバキなどの葉も太陽の光が
当たると光って見えます。このようなことか
らツバキなどのように葉に光沢がある木々を
照葉樹と呼びます。
照葉樹の林は、私の住むような北国では成立
が困難です。最も適しているのは赤道直下の
地域でジャングルは、その最たるものです。
ツバキの仲間は、照葉樹の中では最も北に進
出した木々の1つなのです。
凍りつくように寒い冬でも花を開き続けるツ
バキは、木偏(へん)に春という漢字で表され
ます。これは日本独自の国字ですが、春を待
ちながらも厳しい冬から一花一花咲かせ続け
る様子を見ていると昔の人はツバキのことを
ちゃんとわかったうえで作った字なのだなぁ
と納得するのです。