キノコ23
林道を塞ぐように横たわった丸太は、キノコ
たちに覆いつくされていました。
雑木林を歩いていると命を終えた木は、しば
しばキノコたちの住処になっています。倒れ
ている木もあれば、立ち枯れたままの木もあ
ります。そこにたくさんのキノコが群がって
住んでいるのです。
キノコというと梅雨時や秋が旬のように思っ
ていましたが、案外寒さにも強い種類がある
ようで冬の陽だまりの中でも時々見かけるこ
とがあります。
冬のキノコは、触ってみるとカサカサしてい
ます。他の季節のキノコと比べると圧倒的に
水分が少なく、これで本当に生きているの?
と思うほど乾燥しています。多分、水分が多
いとこの辺りの寒さでは凍ってしまうためで
しょう。
冬の雑木林は、落葉した木がほとんどで晴れ
ていれば地面まで光が差し込みます。風のな
い日は、落ち葉のクッションが温まった空気
をほどほどに孕んで心地良い場所です。
遥か下を走る高速道路からの騒音さえなけれ
ばなぁ~といつも思うのですが、私にはどう
することも出来ません。
あと2ヵ月もすれば落ち葉の間から山野草が
次々と芽吹きます。キノコは一心不乱に木を
土に還し、山野草たちのためにベッドメーキ
ングに励んでいます。