フキノトウ(実)
春の訪れを一番最初に知らせてくれたフキノ
トウは、もう綿毛をつけタネに姿を変えてい
ます。
タンポポにそっくりですが一輪一輪が小さい
綿毛のブーケは、風が吹けば今にも旅立ちそ
うな様子です。田んぼの畔にはそんなフキノ
トウがたくさん。萌黄色だった花は、銀色の
綿毛に姿を変え、春の日差しにキラキラと輝
いています。また来年ね、と言っているよう
で思わず足を止めて見とれてしまいました。
冬の間、乾いた切り株を晒しているだけだっ
た田んぼは、このところ日に日に水が張られ
た区画を増やしています。この辺りは、ゴー
ルデンウイーク中に田植えを終えてしまう兼
業農家さんが多いので大忙しのようです。昨
日の夕方通りかかると小さな苗が既に植えら
れた所もありました。
例年でも朝晩はまだまだ冷たい風が吹くこの
地方で水に浸かった幼いイネたちはさぞ冷た
かろうと思います。季節が遅れている今年は
なおのこと冷たいだろうなぁ。
寒さにくじけそうになっていた2月の終わり
ごろ、寒くても春はもうすぐだよ、と励まし
てくれたフキノトウたちは今度は土の中で眠
りながら幼いイネたちの成長を見守っている
のでしょう。