マツバウンラン(花)
日当たりの良い芝生や河川敷ではか細いマツ
バウンランの群生が、紫色の霞のように煙む
って見えます。松葉のように細い茎でか弱そ
うに見えますが、実は大変繁殖力の強い植物
で花が咲いてから種をつけるまでがあっとい
う間です。その上、栄養価の乏しい造成地で
も日当たりさえ良ければグングン成長するた
め、外来生物として問題視されています。
マツバウンランは、ランという名前がつきま
すがいわゆるラン科の植物ではなくゴマノハ
グサ科の植物です。同じゴマノハグサ科のウ
ンランに花型が似ていることと葉が、松葉の
ようなことからこのような名前になったよう
です。
細い茎にずらりと並んで咲く花は大変小さく
グッと近寄って見ると中心部が白いことがわ
かります。紫色は、この時期季節を同じくす
るヤマフジやキリの花の紫色に色調が良く似
ています。
晴天の田舎道を歩いていると地上ではマツバ
ウンランが、頭上ではキリやヤマフジの花が
紫色の煙をたなびかせて1年で最も美しいこ
の辺りの風景を彩ることにそれぞれ一役買っ
ているのです。