ホオ(花)
ホオの花は高い場所に咲くことが多いため、
近づいて写真を撮ることが少ない花です。
ところが、今年は公民館の前の雑木林の木が
たまたま低い位置に花を咲かせたためすぐ横
からシャッターを押すチャンスに恵まれまし
た。
日本自生の樹木の中で最も大きな葉と花を持
つホオの木は、離れた場所から眺めても豊か
な気分になる木ですが、すぐ横から見ると本
当に大きな花で思わずウワァ~と歓声が上が
ってしまいます。
白くて厚みのある花びら、赤味のある太筆の
ような雌しべとその周囲を取り囲む雄しべ、
立派過ぎてなんだか造り物のようにも見えま
す。花の周囲を囲む葉も1枚1枚が30㎝以上
あり、輪を描くように並んでしっかりと下か
ら花を支える構造になっています。
万葉集には大きなホオの葉を食器代わりに使
った歌が詠まれていますが、母が子供の頃は
母の祖母がおにぎりを庭のホオの葉で包んで
くれたようなので大きな葉は何かにつけて便
利なものだったのでしょう。
めったに近くで見ることのかなわない大きな
花をじっくり観察することの出来た今年の初
夏は、何か良いことがありそうな予感がしま
す。