ヤマボウシ(花)
6月の山を彩る花はヤマボウシです。
白い手裏剣のような形の花は、実際は花びら
ではなく総苞と呼ばれる蕾を包むための葉が
変化したもので、本当の花は中心部の小さな
粒々が集まった部分です。でも、総苞も含め
てヤマボウシの花は花なんだろうと私は思っ
ています。
というのもこの部分は最初、緑色の小さな花
芽として全てがワンセットで5月中頃から少
しずつ大きくなっているからです。ヤマボウ
シは近縁のハナミズキと良く似ていますが、
葉が先に展開してその後花が咲く点がハナミ
ズキとは異なります。葉がほぼ出揃った頃、
葉の間から緑色をした小さな総苞がのぞき、
それが日に日に大きくなると共に白く色付い
て最後に中心の粒々が見えるようになるとい
う順番なのです。
今年は、ヤマボウシも花付きが良くありませ
ん。毎年見る木々を巡ってみても花数が、少
なく寂しい限りです。寒さが春まで長く残っ
たせいか雨が少なかったせいかわかりません
が、これも自然の摂理として受け入れるしか
ありません。
真っ白な花で覆われた重たげに見えるヤマボ
ウシの木が見られないと暑い夏が来ないよう
な気がして心許ない日々を送っています。