キショウブ(花)
小雨の中、田んぼの片隅でキショウブの花が
咲いていました。
キショウブは日本の在来種ではありません。
明治時代以降日本のハナショウブにはない黄
色い花がもてはやされ、日本全国の水辺や湿
地に広まったそうです。雨の多い梅雨時に黄
色い花は目立ちますし、紫色のハナショウブ
と並べて植えれば華やかで美しいと当時の花
好きの人々は思ったのでしょう。
キショウブは、花が終わると種を作ります。
その種が水に流れてまた別の場所で新しい株
を作り殖えていきます。私の住む辺りではた
まに目にする程度ですが、環境省からは要注
意外来生物と認定されているようです。日本
古来の生態系を守るためには仕方がない措置
なのかもしれませんが、ハナショウブも元を
ただせばノハナショウブを品種改良して作ら
れた花なのですからルールなんてあってない
ような気もします。
陸地に生きるアヤメ科の花が終わって水辺に
生きるアヤメ科の花の季節は、鬱陶しい天気
が続きます。水面から垂直に伸びる葉はそん
な気持ちを振り払うかのようにシャキッと天
を目指しています。
それなのにキハナショウブの葉のテッペンに
は小さなカタツムリが何匹も呑気に憩ってお
り、思わず笑ってしまいました。