マタタビ(花)
突然梅雨寒が終わり、不快な蒸し暑い空気に
覆われる日々が始まりました。
ベタベタした空気は人間には苦痛でも、斑に
白くなった葉の陰で丸い小さな蕾をつけてい
たマタタビには待っていた季節のようで一斉
に開花し始めました。
マタタビの葉が開花時期の前後に白くなるの
は、目立たない小さな花に昆虫たちを呼び寄
せるためといわれています。落葉ツル性植物
であるため、周囲の木々に巻きついて日当た
りの良い上へ上へと成長していきます。5月
にヤマフジが占領していた高木の日当たりが
いつの間にかマタタビに入れ替わっているの
です。
マタタビの花はウメの花の形に似ているため
ナツウメという別名も持ちます。ウメの花型
の花を咲かせる植物は他にもたくさんありま
すが、マタタビは雌雄異株のため雄しべしか
ない花をつける雄株と雄しべと雌しべを持つ
両性花が咲く両性株の2種類に分かれていま
す。両性花は受粉に成功するとドングリ型か
カボチャ型の実をつけます。カボチャ型の実
は、開花中に虫に寄生された虫こぶと呼ばれ
るもので薬効が高いとされています。
マタタビの花が咲き出すと、北国もようやく
夏本番です。