ネムノキ(花)
木々の中で目覚めるのが遅いネムノキは、こ
の辺りでは6月ごろからやっと葉を茂らせま
す。
他の木々がほとんど成長が落ち着いて青々と
した葉を茂らせているのにチョボチョボと小
さな新芽を出している様子は、何処か寝坊し
てバツが悪そう。
元来ネムノキ属は、熱帯に分布するものが主
なので日本の春はまだ寒いと感じているのか
もしれません。梅雨入りし、雨が十分に降る
ことで祖先のDNAが呼び覚まされるのか1ヵ
月ほどで急成長します。
先日、久しぶりの自転車の定期点検の帰り道
橋のたもとで大きな満開のネムノキが風にユ
サユサ揺れているのに出会いました。いつも
通っている道ですが、普段は車で通り過ぎて
しまうためこんなに見事に花をつけていると
は全く気付いていませんでした。
ネムノキの花のピンク色の部分は花弁ではな
く、雄しべの花糸と呼ばれる器官です。青空
を背景に咲き誇る花は、思わずウワァ~!と
叫んでしまったほど迫力がありました。
ギラギラとした日差しを苦にすることなく、
むしろ楽し気に大きく揺れている様子は自分
の季節が来たことを喜んでいるかのようでし
た。