マサキ(花)
朝日が当たったマサキの花は、小さいながら
も特徴あるフォルムがなんともいえない可愛
らしさを醸し出す花です。
梅雨は明けたはずなのにジトジトした天気が
続いています。何年かに1回はこのようなス
ッキリしない夏になってしまうのがこの地方
の特徴。連日猛暑日が続く地方よりはマシだ
と言われればそうかもしれませんが、暑くな
い夏もなんだかつまらないものです。
マサキは、冬に朱色の実をつける常緑低木で
す。葉には光沢があり、いつもツヤツヤとし
ています。その上、湿度の高い夏は一段と生
き生きしています。この時期、歩いていると
葉の間からはたくさんの花が、咲き出してい
るのを目撃します。生け垣に使われることの
多いマサキは、多分日本中で簡単に出会うこ
との出来る樹木でしょう。
花の数はおびただしいほど咲きますが、これ
が全部実になるわけではありません。冬に撮
った実の写真と比べるとせいぜい10個のうち
1個ではないかと思われます。こんなに可愛
い花も淘汰されて生き残るのはごくわずか。
雲の切れ間から日が射す一瞬を閉じ込めたよ
うな暖かな朱色の実はこれから半年近くかか
って命の営みを告げるのです。