ムクゲ(花)
早朝、歩き始めるとこの時期一番多く目にす
る花木はムクゲです。
南国でよく目にするハイビスカスと同じアオ
イ科の植物なのでムクゲも夏が大好きなので
しょう、朝から生き生きしています。
ムクゲの花はバラエティに富んでおり、色も
様々一重咲きも八重咲きもあります。中には
八重咲きでほとんど洋花のように見える品種
もあります。ただムクゲの残念なところは、
一日花のところです。
茶人の千宗旦(利休の孫)は、その儚さが一
期一会に通じるとムクゲの花を茶花として好
んだことで有名です。特に白地に中心部が赤
い花を気に入っていたため、この花は宗旦木
槿(そうたんむくげ)と呼ばれています。
ムクゲは比較的樹形が細長く伸びる性質を持
っているため、場所を取らずに植えることの
出来る木です。夏から秋まで花が絶えること
なく咲きつなぎ、秋が終わる頃、種を実らせ
て活動を終わります。強い生命力は、夏のエ
ネルギーを閉じ込めた種からでもまた挿し木
からでも簡単に子孫を増やします。いつの間
にか庭の片隅に生えてしまったムクゲを切る
べきか、生かすべきか、度々悩むのが夏の終
わりの恒例です。