ガマズミ(実)
今年は雑木林の実りがあまり良くない年です
が、ガマズミだけは例外のようです。初夏の
頃、小さな白い花をつけていた部分が真っ赤
な実でいっぱいです。
ガマズミは、雑木林のあちらこちらで見られ
る木なのでこれで少しは鳥たちの冬の食料も
大丈夫かな、と安心しています。
真っ赤な実は、5㎜前後と小粒ですがかたま
って実ると鮮やかで大変目立ちます。まだ木
々の葉は紅葉が始まっていないため、緑と赤
のコントラストが晴天の日には一段と際立っ
て見えます。
例年11月に入るとこの辺りでは霜が降り始め
ます。霜が降りるとあっという間に木々の葉
は色付き、ガマズミの葉も赤黒い色に変化し
ます。クエン酸を大量に含み、酸味の強かっ
た実も甘味を増して次々と鳥たちに食べられ
て数を減らしていきます。人間にとって美し
い紅葉の風景も生き物にとっては、厳しい季
節の到来を告げる合図なのかもしれません。
鳥たちによって様々な場所に運ばれたガマズ
ミの種は冬の間長い眠りについた後、春にな
って山のあちらこちらで目覚めます。
鳥たちの無意識の行動は、未来の自分達の子
孫を育てる糧となっていきます。