ムラサキシキブ(実)
温かな午後の西日を浴びてムラサキシキブの
実が、耀いて見えます。
夏の初めに薄紫色の小花をたくさんつけてい
た枝には今、小さな紫色の実がたくさんつい
ています。実の数は花の数に比べるとだいぶ
少なくなっていますが、それでも枝のそこか
しこを彩るには十分な数です。
この美しい紫色の実を楽しめるのは、花の頃
せっせと働いてくれたハチたちのお蔭です。
ハチたちは自分達の行動が、ムラサキシキブ
の受粉に貢献しているとは思っていないでし
ょう。でも、朝早くから花から花へと移動し
てくれたお蔭で実ることが出来たのです。
ハチの次にムラサキシキブの繁殖に貢献する
出番を待っているのは鳥です。紫色に実った
実を冬の間の食料にしてあちこちに種まきし
て回ります。
ハチも鳥もただ自分達が生きるために行って
いる行動が、ムラサキシキブを助ける結果に
つながっています。難しいことなんて何ひと
つ考えていないでしょう。
自分が一生懸命生きた結果、誰かの幸せにつ
ながることが出来たらなんて幸せなんだろう
とムラサキシキブの1年を見ていて思うので
す。