淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

カリン(実)

春に可愛い花を咲かせたカリンに今、黄色い

大きな実がついています。

花が咲いてから半年過ぎ、葉は赤や黄色に色

づいてだいぶ散ってしまいましたが実はまだ

枝についたままです。

今年は花数の割には実付きが悪く、たった3

個しか残っていませんがその分大きな実がな

っています。一方少し離れた場所のカリンの

木にはたくさんの実がなっていましたが、風

が吹いたらほとんどの実が地面に落ちて無残

な姿をさらしています。この家は先代の住人

が亡くなった後、空き家になっており落ちた

実は放置されています。有益なカリンの実が

朽ちていくのをただ見ているのは、何だか心

苦しい。

家の近くのカリンの木は道端に生えていて誰

のものかもわからず、熟して自然に落ちても

誰も見向きもしません。そのため、毎年拾っ

てカリン酒にしています。1年間焼酎と氷砂

糖で漬けて次のカリンが実る頃、種や実を漉

して飲み始めます。最初は透明だった液体が

1年で琥珀色のとろりとした甘酸っぱいお酒

に変わって美味しくなります。

カリンはノドに良いと聞きますが、春の花と

秋の実を思い浮かべながら飲むカリン酒は特

別な効能があるような気がします。

 

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