モミジ(実)
色づいたモミジの紅葉はあっという間に散
り、葉のなくなった枝にはモミジの実だけ
が残されています。
モミジの実は、プロペラのような形をして
います。春に花が咲きその後、実は完成し
た形で緑色の多くの葉に紛れて秋までは枝
に留まって過ごします。
真っ赤に色づいたモミジの葉が枝を離れる
と残されたモミジの実は、旅立ちの時を迎
えます。プロペラの部分は翼と呼ばれ、飛
行機のプロペラと同じように風を受けて遠
くまで飛んで行きます。試しに枝から実を
取って高い位置から手を放すとプロペラが
クルクルと回りながら落ちていくのを見る
ことが出来ます。高木に育ったモミジの木
ほど高い位置から種を手放すことになるの
で、その分遠くまで種は風に乗って飛んで
行くことになります。
北国は、落葉樹が圧倒的に多いため、周囲
の山々の木はほとんど葉を落としました。
山の色は焦げ茶色で塗りつぶしたようにな
り、春まで長い眠りに就きます。薄暗かっ
た雑木林には、地面まで日が射すようにな
り明るくなります。
親木を離れ旅立ったモミジの種たちは、雑
木林のどこかへ降り立ち新しい命となって
春になったら芽吹くことでしょう。