淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ニセアカシア

初夏の山肌を彩る白い房。 たくさんの歌に歌われて。 ミツバチたちの仕事場。 木陰に響く羽音は軽やか。

キリ

山肌に目立つ紫の高木。 見失わないよう山道を急ぐ。 鈴なりの花は神聖なしるし。 古くからこの国に息づく文化の象徴。

ミニバラ

深紅の小花は女王の風格。 鋭く尖った花びら。 他者を寄せ付けない棘。 欠けることのない威厳は孤独を深める。

オオキンケイギク

勲章のように光り輝く黄色。 たくましく日本中の荒れ地に広がる。 花には罪はないはずなのに。 特定外来生物と差別される今。

プロペラ

花はいつのまにか実り。 乙女のリボンに。 新天地へ旅立つ。 勇気ある女性飛行士たち。

シラン

覚醒しつつある草むら。 夜露に濡れた冷たい空気。 浮かび上がる紫の輪郭。 朝日が色を染め変えていく。

スズラン

緑の中に白いフリルが揺れる。 涼しい場所を好んで暮らす。 愛らしい姿に似合わず有毒。 可愛いだけじゃ生きられない。

白妙

まぶしいくらいに輝く白。 キャッチコピーじゃないけれど。 梅雨入り前のこの季節。 パリッと乾いたシャツのよう。

一期一会

西日を受けて開く薔薇。 桃色の思い出は今年はない。 遅霜にたたられた花芽たち。 今、この一瞬は今、限り。

あこがれ

雨雲が押し寄せる中。 ひとかけらだけ残った美しい青空。 自分の良いところは見えない。 幸福だった幼子の頃が思い出せないように。

クレマチス

月明りの中。 ほの白く光る地上の星。 末広がりの八枚の花弁。 ハラハラと散る風車。

タツナミソウ

庭一面に広がった。 泡立つ紫色の波。 夜明けの空のような色。 寄せては返す静謐な時間。

アイリス

天を目指す花姿。 アヤメの仲間は皆そっくり。 清々しい青から紫への花変化。 夏が来る前の清涼剤。

デイジー

パッチリと開いた花びら。 花占いにうってつけ。 念じながら解く一枚一枚。 答えはもう出ているのに。

蒲公英

どこにでもある風景。 フワフワの綿毛は旅立ちのサイン。 一面の黄色が白に変わった時。 本能のスイッチは起動する。

マムシグサ

暗い雑木林で出会う花。 とにかく形がクール。 前衛芸術家の作品か。 自然の造形美は人知を遥かに超えている。

フジ

あらゆるものに巻きついて。 優位な環境を独り占め。 宿主にお構いなく重たげな花房。 己が生きることのみを追求した姿。

シロヤマブキ

ヤマブキとは属が異なる。 まぶしいくらいの黄色に対し。 静寂感が漂う白色。 どこかホッとするする花。

ミヤコワスレ

ロマンチックな響き。 いにしえの高貴な方が名付け親。 楚々としたキク科の植物。 名前はやっぱり大事だね。

モッコウバラ

たわわについた小さな花。 トゲを失う進化をとげた。 明るい五月の光のように。 傷つけなければ傷つかない。

シャガ

遠い昔、中国から来日。 この国にある花はすべてクローン。 美しい遺伝子の配列。 ほの暗い藪の中で開く数式たち。

ヤマツツジ

春山で朱色は珍しい。 それだけにハッとする瞬間。 木漏れ日の下、注意をひく存在。 目立つことは勇気の証。

若葉

仰ぎ見れば雲一つない空。 木々の緑も花のように輝く。 青春という言葉の意味。 失ってから気がつく美しさ。

オダマキ

青紫で大人っぽい色。 丸みを帯びて愛らしい形。 風が鈴のような蕾を揺らす。 吹き抜けた後の清涼感。

カラスノエンドウ

植物学的にはヤハズエンドウ。 土手一面を領地としている。 早春のひ弱さはどこへやら。 今は、子育て中の母のように逞しい。

トンネル

モミジの新緑が続く道。 歩いている自分までが緑に染まる。 この道を抜けると、どこか別の世界。 そんな気がする昼下がり。

チゴユリ

雑木林の散歩。 心がほぐれていく萌黄色。 芽吹き始めた下草。 緑に透けてしまいそうな白い花。

ハンショウヅル

公園の目立たない角。 毎年見守るが増殖せず。 多くの人が気付いていないだろう。 誰もが増大したいわけじゃないのだ。

クサノオウ

ヤマブキの花と似ている。 こちらはケシ科で、あちらはバラ科。 毒草であり薬草でもある。 見慣れた道に諸刃の剣。

ヤエザクラ

種まき時を告げる基準木。 葉は桜餅、花は桜茶。 幾重にも重なる花びら。 幸多きことを寿ぐ印。