淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

マユミ(花)

ようやくまとまった雨が降りました。

このあたりでは、1年を通して雨音が聞こえ

るほどの雨はめったに降りません。

久しぶりに屋根や窓に当たる雨音を聞くと、

どこか懐かしいようなホッとする気持ちにな

りました。この雨で遅れていたバラの開花も

進むと良いのですが、既に蕾はだいぶ痛んで

いるの手遅れかもしれませんが…

庭のバラの隣には何年も前から謎の木が生え

ています。いつの間にか生えてきたそうで、

私が転居して来る前からあります。まだ一度

も花が咲いたことがなかったため何の木かわ

からずにいましたが、少し前に小さな蕾がた

くさんついているのに気づきました。蕾の感

じからは何だかマユミの花のようだなぁ~と

思いました。

しばらくすると小さな花が開きました。やは

りマユミの花です。この辺りでは、雑木林の

端で野生のマユミの木をよく目にするので鳥

が運んで来て芽が出たのでしょう。上手くい

くと秋になったら可愛い実がたくさんなるで

しょう。

空気が湿り気を帯びてきてまた季節が、一段

進んだことを感じます。赤い小さな実をつけ

る花たちは、もうひっそりと秋への営みを始

めているのです。

 

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トチ(花)

昨年不作だったトチは、今年は山のあちらこ

ちらでたくさんの花をつけています。

なぜ、昨年は不作だったのかわかりませんが

今年はたくさんの花が見られて嬉しいです。

トチの葉は、一見するとホオの葉に大変良く

似ています。私も慣れるまではどっちがどっ

ちかわかりませんでした。どちらも花の下を

支えるようにぐるりと輪を描くように大きな

葉がつくからです。しかし、よく見るとトチ

の葉は向かって手前の葉が奥の葉よりも必ず

大きいことに気がつきました。ほぼ100%の

確率です。それに対してホオの葉は全ての葉

が同じ大きさで輪状に並んでいます。このこ

とに気づいてから花がない時期でもトチとホ

オの木を混同することはなくなりました。

この時期、田んぼから山の木々を眺めるとト

チとホオの花が咲いた様子は近視の私でも良

くわかります。トチもホオも寒さに強く、北

国でも大木に育つ木です。多くの木々がなる

べく暖かい南斜面や西斜面を選ぶことが多い

にもかかわらず、両者は東斜面や時には北斜

面でも大きく成長しています。

たくさんのトチの花が秋にたくさんの実にな

って地面に落ちてくるのを楽しみにして待っ

ています。

 

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ツクバネ(雄花)

お正月に羽子板遊びに使うツクバネにそっく

りな実をつけるツクバネの木は、これからが

花の時期です。

ツクバネは、雌雄異株なため実をつけるのは

雌株だけです。いつも写真を撮っていた株は

春先に切られてしまったため、今年は少し離

れた場所にある木を見に行きました。

昨年の冬に目をつけておいた木は、実をつけ

ていない木もありました。そのため雄株では

ないか?と目星をつけていたのですが予想は

当たり、お蔭で、今年初めてツクバネの雄花

を写真に撮ることが出来ました。

ツクバネの雄花は、雌花に比べてだいぶ小さ

く1つの花が直径2~3㎜くらいです。その

小さな花が枝の先端の1ヶ所に6個くらいず

つかたまって咲いています。ヤナギのように

枝垂れた枝は風で揺れることによって花粉は

雌株の花に飛んで行きます。この場所は、雌

雄の株がすぐ隣り合うように生えているため

受粉率はかなり高く、晩秋に実が見られる確

率も高いです。

葉も花も緑色のため、よく見なければそれが

花だとは判別出来ないほどですが、ツクバネ

は風に仲人を頼んで上手に子孫を残している

ようです。

 

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ホオ(花)

ホオの花は高い場所に咲くことが多いため、

近づいて写真を撮ることが少ない花です。

ところが、今年は公民館の前の雑木林の木が

たまたま低い位置に花を咲かせたためすぐ横

からシャッターを押すチャンスに恵まれまし

た。

日本自生の樹木の中で最も大きな葉と花を持

つホオの木は、離れた場所から眺めても豊か

な気分になる木ですが、すぐ横から見ると本

当に大きな花で思わずウワァ~と歓声が上が

ってしまいます。

白くて厚みのある花びら、赤味のある太筆の

ような雌しべとその周囲を取り囲む雄しべ、

立派過ぎてなんだか造り物のようにも見えま

す。花の周囲を囲む葉も1枚1枚が30㎝以上

あり、輪を描くように並んでしっかりと下か

ら花を支える構造になっています。

万葉集には大きなホオの葉を食器代わりに使

った歌が詠まれていますが、母が子供の頃は

母の祖母がおにぎりを庭のホオの葉で包んで

くれたようなので大きな葉は何かにつけて便

利なものだったのでしょう。

めったに近くで見ることのかなわない大きな

花をじっくり観察することの出来た今年の初

夏は、何か良いことがありそうな予感がしま

す。

 

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ミヤコワスレ(花)

今年もミヤコワスレの花を十分に堪能しまし

た。

いつも庭にある地味なキク科の花ですが、こ

の小さなキクの花の安定感が好みです。

直径2㎝足らずの小さな花ですが花としての

機能は十分備えていつつ、簡素という言葉が

ピッタリな花は他にはなかなかないような気

がします。

花のシーズンが終わると山野草のように地上

から姿を消してしまうわけではありませんが

小さく目立たない存在となって夏から冬まで

を過ごします。

春から初夏まで咲き続けたわりにはたくさん

の肥料を欲しがるわけでもなく、他の植物の

領域に侵入することもなく常に一定の割合を

維持して過ごしています。

花を見ていると人のように思えてくることが

あります。常に存在感をアピールする人がい

る一方で目立たないけれど頼りになるという

人も必ずいて、どっちが良い悪いではないけ

れど自分は後者のような人になりたいなぁ~

と常々思います。

ミヤコワスレの原種ミヤマヨメナは、形はそ

のままに紫色を白色に変えただけの花です。

いつか野に咲くミヤマヨメナをこの目で見た

いものだと心の中で願っています。

 

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ヒメコウゾ(花)

段々と暗くなりつつある雑木林の林縁でユニ

ークな形の花を咲かせているのは、ヒメコウ

ゾの花です。

色は暗い赤紫色で顕微鏡で見るウィルスのよ

うな形の方が雌花、丸い粒々が集まった球形

のものが雄花の蕾です。雄花は開くと中から

小さな白い花がいくつも現れ花粉を散布しま

す。

ヒメと名前がつくだけあってヒメコウゾは、

それほど大きな木にはなりません。太さもほ

どほどで同じ科のクワノキの樹形に良く似た

感じです。

ヒメコウゾは、雑木林の中で花はほとんど目

立つことなく咲いています。余程物好きな人

以外は、目もくれない存在なのではないかと

思われます。

でもこの辺りがいよいよ暑くなる頃、緑色に

染まった木々の間で朱色に耀き存在感を増し

出すのがヒメコウゾの実なのです。

花の頃を知らない人にとって、急に現れたこ

の美しい果実はいったいどこから来たのだろ

う?と疑問に思うものです。現に私もそうで

した。

自分に見えていないだけでそのもの自体は、

以前からすぐ側に存在していたというのに。

ヒメコウゾの花は、人間の見るという行為が

いかに脳に支配されているかを気付かせてく

れるものなのです。

 

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キリ(花)

今年はなかなか気温が安定しない日々が続い

ています。それでもキリの花は、ほぼ例年通

りの時期に咲き始めました。

朝日に映えるキリの花は、少しオレンジ色掛

かっています。ようやく広がり始めた葉はま

だ小さく、家紋で見られるような花と葉の理

想的な形にはなっていません。以前、南の地

方で見た時は花と葉が同時に出揃っていたの

で寒い地方では葉の出るのが遅いのかもしれ

ません。

花が咲いているキリの木は大抵大木です。キ

リの木は成長が早いことで有名ですが、それ

でも15~20年くらいは経っていると思われる

木です。円錐形にかたまって咲く花1つ1つ

は大きく、7㎝前後はあるでしょうか。

花が終わると受粉出来た部分には、実がつき

ます。花が大きいので果実も大きく、ちょっ

クルミの実がなっている形に似ています。

最初は青い果実も秋になり冬を迎える頃には

茶色くなり、乾燥すると自然に割れて中から

たくさんの翼をつけた種が出てきます。こん

なに大きな木になるのに、こんなに小さい種

から始まるのか!と驚くほど小さな種です。

どんな命も最初は驚くほど小さいんだな~と

立派な花を見ながら思い返しています。

 

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ミヤマガマズミ(花)

雑木林の木々の葉もほぼ出揃って林の中は、

すっかり薄暗くなりました。

そんな雑木林のそこかしこで真っ白なミヤマ

ガマズミの小花の塊が、目に留まります。

それほど大きくはならない落葉低木ですが、

緑陰の中で咲く集合花は大変目立ちます。

ところが、ミヤマガマズミは花が終わると一

旦存在を消します。夏の間は葉と同じような

色の青い実を育てながら過ごし、秋になると

1個1個の花が真っ赤な実に変身して再び注

目される存在となるのです。赤い実は、果実

酒として楽しんだり、鳥たちの秋から冬の貴

重な食料としてしばらくの間活躍することと

なります。

日本には、約16種類ほどのガマズミの仲間が

存在するといわれています。ヤブデマリやオ

オデマリのような一見アジサイの仲間かと思

うような樹木も実は、ガマズミの仲間です。

今年は、しばしば季節が逆戻りするような気

温の低い日がありますが、それでもガマズミ

の仲間の開花は平年並みに進んでいるようで

す。

真っ白な花が真っ赤な実に変わる自然界のマ

ジックは、ちょっとやそっとのことでは揺る

がないということなのでしょう。

 

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クレマチス(花)

朝から蒸し暑い雨上がり、白いクレマチス

花が開き始めました。

ここに住み始めて驚いたことの1つに雨の量

の少なさがあります。だからといって毎日晴

天かといったらそうでもなく、時々は雨が降

りますがその量は地面をさっと濡らす程度の

ことがほとんど。

以前住んでいた所は、降る時はかなりタップ

リ降り、次の日は朝からピカピカに晴れると

いったメリハリのある天気だったのでなんだ

か物足りなく感じてしまいます。

その上、車移動が主体になったため長傘の出

番はほとんどなくなり、折りたたみ傘で間に

合ってしまいます。山間部の天気とはこんな

ものなのでしょうか?

雨量が少ない上に気温も低いせいか植物の成

長には、勢いがありません。畑で出来る青菜

も硬く、ここの野菜は筋張って不味い、と老

人達は閉口しています。

庭の土がパサパサに乾いて明らかに植物が水

を欲しがっていても水撒きが追いつかないほ

ど乾いた日々が続いた後、やっと待ち望んで

いた雨が降りました。

開き始めた象牙色のクレマチスは、雨が降っ

たことを全身で感謝しているかのように一層

白く耀いて見えました。

 

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ヤマツツジ(花)

公園や庭園で最も多く目にする植物は、おそ

らくツツジの仲間だと思われます。ほとんど

は野生のツツジから品種改良された派手で大

きな花をつける皆さんお馴染みの花です。

一方、ヤマツツジは、日本の野生のツツジ

代表で北海道南部から九州の低山でよく見ら

れるものです。ヤマザクラが終わる頃から咲

き始め、日当たりの良い斜面や木漏れ日の当

たる明るい場所に雑木林の中では珍しい朱色

の目立つ花をつけてそこかしこで咲いていま

す。

園芸品種のツツジは色とりどりの花色があり

ますが、ヤマツツジはほとんどが朱色です。

ごく稀に白色の花がありますが、大抵は明る

い黄緑色の葉と朱色の花のコントラストが暗

くなり始めた雑木林の中でハッとするほど目

を引きます。

花の大きさは、ツツジほど大きくはなく丁度

ツツジとサツキの中間くらいの大きさになり

ます。今、街中ではサツキの季節だと思われ

ますが、ヤマツツジは6月いっぱい雑木林の

中で咲き続けています。

巷では、この時期ツツジとサツキの見分け方

がよく話題になりますが、ヤマツツジは、両

者の特徴を併せ持ちつつ万葉の時代から生き

残っている花なのです。

 

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