淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

オカトラノオ(花)

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オカトラノオも最近すっかり数を減らして

いる野草です。

本来なら、群生して花の穂先を同じ方向へ揃

えて風になびいている姿が涼しげなのですが

今はせいぜい2,3輪がかたまってい所々で

見かけるだけです。

私の住む地域は、標高100mくらいの山を造

成した新興住宅地です。元は、雑木林が広が

っていた場所だと思われますが、ある大資本

が大規模に開発して家をたくさん建てて売り

出したのです。大きな街になる計画でしたが

バブルがはじけて結局、その大きな資本は地

元の不動産会社にこの場所を売り払って撤退

していきました。

中途半端に開発された場所は、駅から遠いの

にバスの便も少なく、大人になった子供たち

は戻って来ず、老人ばかりの街になってしま

いました。

一度出来た街を維持しようと行政は、躍起と

なって草刈りに訪れます。先日もホタルブク

ロが、花の盛りに見事に刈り取られてしまい

ました。

毎年刈られることによって野草は、減ってい

きます。冬に刈るならまだしも夏のこれから

種をつける時期に刈られてはどうしようもあ

りません。

この辺りで、オカトラノオの姿を見られなく

なる日もそう遠くない気がします。

  

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ヤマグワ(実)

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この時期、山道を歩いていると地面が黒く汚

れている場所があります。

その場所に立って、上を見上げるとそこには

大抵赤から黒く熟したクワの実を見つけるこ

とが出来ます。

クワは、皆さんご存じのように葉はカイコの

餌になる木ですが、ヤマグワは、養蚕に使わ

れるマグワの葉に比べると繊維が硬いそうで

す。ただ、霜害に強いためマグワが遅霜など

の被害にあった時だけは代用するために山野

に植えたものが今は、野生化しているそうで

す。

クワの実は、キイチゴの仲間とよく似た構造

をしており、小さな実が集まって1つの果実

を成しています。黒く熟した実は、甘く私の

両親が子供の頃は、子供たちのおやつ代わり

だったそうですが、黒紫色の実の汁は口の周

りや衣類に付着すると洗い流すのがかなり困

難なものです。従って、食べたのに食べてな

いとウソをついても大人からはお見通しにな

ってしまいます。

最近の子供は、美味しいおやつが豊富にある

ため、クワの実なんて食べません。ヤマグワ

の実は野鳥たちの食料になるだけです。

養蚕が、日本の産業として衰退してしまった

ため、実は鳥達ですら食べ切れないほど山に

なって落ちています。黒く道を汚している様

子を見る度に、ちょっと寂しい気持ちになり

ます。

 

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ラベンダー(花)

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丸一日たっぷりと雨が降った次の日、雨が上

がると蕾だったラベンダーの花があちらこち

らで一斉に咲き出しました。

街路樹の足元に植えられたラベンダーは、離

れていると紫色が、煙っているように見えま

す。でも、近づいて見れば小さな花がバトン

のように棒状に固まって咲いているのがわか

ります。側に行って手でサワサワと撫でると

優し香りがほのかに立ち上って癒される花で

す。

先日、今年も南の地方に住む友人からラベン

ダーの花で作ったサシェ(匂い袋)が送られ

て来ました。毎年、自分で育てた花で作って

送ってくれるのです。両親との生活は、何か

とストレスがたまりがちだろうと気遣ってく

れる心遣いが嬉しいです。

毎晩優しい香りに癒されながら枕元に置いて

眠りにつきます。彼女から送られたバトンに

込められた想いを受け止めながら。

 

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クリ(花)

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今年もクリの花が咲き始めました。

フワフワの尻尾のような花は、雄花です。

昔は、それを知らずにあのフワフワがどうや

って丸い実になるのだろう?と思っていたの

ですが、丸くなる実の元、つまり雌花は実は

別に存在しているのです。

知ってしまえば当然なのですが、知らない時

は真剣に、長い花房が丸く変化するのかな?

などと想像していました。

クリの雌花は、雄花の咲いている根元のよう

な部分に小さな小さなイガの形であります。

もし、手が届くところにクリの雄花が咲いて

いるようでしたら手繰り寄せてじっくり観察

するときっと見つけることが出来ると思いま

す。

ついこの間まで山の斜面を彩っていたのはヤ

マボウシの白い花でした。それが、今はあっ

という間にクリーム色のクリの花に変わって

います。優しい色合いの花は晴れた日には風

になびき、雨の日には雫を滴らせています。

たとえ、その花が雄花であろうとクリの花を

見ると山の持つ母性のようなものを感じてし

まう私なのです。 

 

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ミツバチ

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谷川沿いを歩いていても汗ばむようになりま

した。朝の早い時間でも少し歩けばすぐにジ

ワっと汗が滲んできます。

水の流れる音とホトトギスの力強い鳴き声を

聞きながらもうすぐ夏だなぁと思います。

しばらく歩くとどこからともなくブーンとい

う羽音がするのに気が付きました。キョロキ

ョロするとすぐ横のコンクリート製の電信柱

の穴にミツバチが出たり入ったりしているの

が目に入りました。穴は、丁度私のヒザぐら

いの高さで、本来は電力会社が電信柱に上る

時だけ長いボルトをねじ込んでハシゴのよう

にするために空けてあるものです。多分、無

闇に電信柱に上らないように普段はボルトを

抜いておくのです。

ミツバチたちは、私が立っていても全く気に

せず出たり入ったりしています。どうやら中

に巣を作っているようです。ファイバースコ

ープがあったらのぞけるのになぁと思いなが

らしばらく観察していました。

暑くなった頃、ミツバチは、分蜂といって新

しい女王蜂と共に巣別れをします。人間が飼

っている以外にも野生で生きているミツバチ

はいて、それらは大抵木の洞などを巣にして

います。ところが、このミツバチたちは、電

信柱を木の洞の代わりにしているのです。

針金ハンガーを巣の材料にするカラスがいる

ように、生き物たちも人間に負けてはいない

のだなぁと感心した出来事でした。

ホタルブクロ(花)

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このところ朝は雨が降っていることが多くな

りました。9時頃になると気温が上がって晴

れてくるのですが、今度は、朝降った雨が水

蒸気に変わり、蒸し暑くなります。

少し前から道端のガードレール沿いではホタ

ルブクロの花が、次々と咲き出しています。

アスファルトのすき間に入り込んだわずかな

土から芽を出し、何もこんな狭い所から芽を

出さなくても他に土はいくらでもあるのに、

と思うのですが、ホタルブクロはコンクリー

ト製の石垣や歩道の片隅などを好んで群れて

います。

ホタルブクロは、地下茎と種で殖えていきま

す。基本的には湿度の高い日陰を好みますが

花の後に出来る種は、ホコリのように粒子が

細かくあまりジメジメしていると発芽率が落

ちます。また種から発芽する時だけは、ある

程度の高温を必要ということを知っているか

のように、保温力のあるコンクリートやアス

ファルトの近くを住処として選ぶのです。

雨の季節に雄しべや雌しべが濡れてしまわな

いように考えられた傘のような花の形といい

私達はまだまだ自然から学ぶべきことがある

ようです。 

 

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マタタビ(花)

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マタタビは、ツル性の植物で日当たりの良い

場所を目指して上へ上へと伸びるため花も高

い所に咲くことが多いです。

花の時期が近づくと葉の一部が白く変化する

ため、遠くからでもあそこにマタタビがある

とわかるのですが、写真を撮るには高過ぎて

たいていはあきらめることになります。

今年は田んぼの近くの集落のゴミ捨て小屋に

ツルが枝垂れてきて運良く低い場所に花が咲

きました。散歩をしながら低い場所の花を探

し続けた甲斐がありました。

一枝だけ手折って、家の窓辺に活けて観察を

続けたところ段々と花が開くにつれて香りが

強くなってくることに気が付きました。嫌な

香りではないのですが、独特の薬品のような

香りがするのです。猫たちが反応するのはこ

の香りのせいでしょうか?

ハンゲショウによく似たマタタビの白い葉は

今の時期、山の至る所に翻っています。私は

ここに来るまでマタタビの実物を見たことが

ありませんでした。こんなに間近で花まで見

ることが出来たことは、この地に住んで良か

ったことの1つです。 

 

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ユキノシタ(花)

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昨年の今ごろは、乾燥した日々が続いていま

した。そのため、ほとんどユキノシタの花を

目にすることがなく終わりました。その後、

梅雨の後半は雨が降ったので干ばつにはなら

ずにすみましたが。

今年は、これまで適度に雨が降っているせい

か、湿った場所ではユキノシタの花が咲き始

めています。散歩の途中で別の植物を探して

いても、足元に小さな白い花がチラチラと目

に入ったりします。

ユキノシタの花びらは、下の2枚だけが特に

大きく出来ていてパッとに見た感じ、人が大

の字に手足を広げているようにも見えます。

初秋に同じような環境を好む、ダイモンジソ

ウという同じユキノシタ科の植物と花は、そ

っくりです。両者は、葉の形と花の咲く時期

が全く異なるので見分けるのは簡単ですが、

大変よく似た花です。

ユキノシタは、岩から湧き水が滲み出してい

る場所などに多く生えています。

昔、友人が新婚の時に借りたアパートに遊び

に行った時、向かいの斜面がやはり濡れた岩

場でそこにたくさんのユキノシタの花が咲い

ていた記憶があります。

暑かったあの日、雫が落ちる下で咲く小さな

花の群れが、涼し気だったことが今も心に焼

き付いています。

 

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モミジイチゴ(実)

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モミジイチゴ、別名キイチゴの実が実りま

した。

オレンジ色の実は、摘むとホロホロと崩れて

しまうほど繊細です。

子供の頃は、それが面白くてたいして食べ応

えがないのに飽きずに摘んでは口に運んでい

ました。洗った方がいいのかな?と思って蛇

口の下へ持って行って洗うと流水の勢いに負

けて全て砕けて排水口に飲み込まれてしまい

それ以降、洗うのをやめてしまいました。

今から考えるとなんだか不衛生だな~と思い

ますが、子供というのはそんなことに頓着し

ません。特に、お腹を壊した記憶もないの

で大丈夫だったのでしょう。

花が咲いていた頃のモミジイチゴの周囲は、

まだ木々が芽吹き始めたばかりで雑木林も明

るい緑でしたが、今は深い緑に覆われていま

す。葉の陰に隠れるようになっている実は、

枝と葉をかき分けていくとようやく見つける

ことが出来ます。

わずかな木漏れ日に透かして見るモミジイチ

ゴの実は、今はもう取って食べたいとは思い

ません。むしろ、小さな宝石のようで光に透

かしてずっと眺めていたいと思うものです。

 

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ノアザミ(花)

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今年もノアザミの季節となりました。

例年ならそろそろこの地方も梅雨入りする頃

ですが、今年は少し遅れているようです。

今冬は、積雪が多く寒い日が続いたため水不

足の心配はないと思いますが、ほどほどに雨

も降らないと困ります。

梅雨入り宣言はまだでも、ノアザミが咲き出

すと空気に湿気が多くなり、目にする風景も

どこか滲んだように見えるようになります。

晴れるとギラギラと照りつけていた日差しも

柔らかくなり、その分ジメジメと感じられる

ようになるのです。

ノアザミは、風通しの良い少し高い場所でよ

く見られます。茎を真っ直ぐに伸ばして黒っ

ぽい蕾の中からたくさんの細い花びらを伸ば

して半球に花が開きます。細い茎に反してボ

リュームがある花ですが、倒れたりすること

はありません。時々チョウが止まっていたり

するのを見ますが、それでも真っ直ぐ立って

います。

ノアザミのような花は、限られた季節に一斉

に咲いて終わってしまう類のものではありま

せん。そこかしこにポツン、ポツンと初夏か

ら晩夏まで咲き続けています。

日に日に大きくなる田んぼのイネの傍らで母

親のように見守っている花だなぁと私は思う

のです。 

 

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