マンリョウ(実)
雨に濡れたマンリョウの実は、瑞々しく何か
別の果実のようにも見えます。
夏の終わりに咲いていた花はほとんど全て赤
い実になって今年も豊作です。
マンリョウの実は、最初緑色をしていますが
気温が下がるごとに少しずつ薄いピンク色を
帯び、最後にはこのような赤い実となるので
す。
マンリョウは、本来東アジアからインドにか
けての温暖な地域に分布する常緑低木です。
日本でも関東地方より西の地域の林に自生し
ていたものが実の美しさを買われて栽培され
るようになったそうです。花のない季節の彩
りに苦心していたのは、今も昔も変わりない
のでしょう。
赤い実は幹を中心に周囲にぐるりとつき、庭
に1本あれば段々に鳥たちについばまれて減
っていきますが、花のない庭の慰めとなりま
す。
雪になりそこねた雨が毎日のように降り続き
ジメジメと冷たい空気の中でたいていの花は
消えていきます。雨に打たれて艶々と美しさ
を増しているマンリョウの実は、まさにこの
季節にピッタリの存在なのです。