淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

その他

喧嘩

ハート型の葉が重なり合う。 貴方の想いと私の想い。 ぶつかり合って傷つけ合う。 近づき過ぎは火傷する。

忘却

一番暑い頃の痕跡。 一番寒い季節に発見。 飛び立って行ったものは何処。 もうこの世にはない。

備蓄

砂漠の国からやって来た。 プラントハンターに連れられて。 心の砂漠ジュパングヘ。 膨らんだ葉は未来のタンク。

双子

仲良く並んだ水仙の芽。 強い絆で結ばれている。 寒気に当たって背を伸ばす。 助け合って春となる。

化石

雑木林の中の切り株。 風雨にさらされ幾年月。 数億万年後。 琥珀になるかは神のみぞ知る。

越冬

太陽のスポットライト。 耳をすませば春の気配。 幕が上がる前の静かなひととき。 寝支度を始める木々のささやき。

氷穴

凍りついた水面。 水鳥さえも拒む。 太陽はわずかな手掛かりを見逃さない。 点々と散らばった心を溶かす。

氷結

凍りついた池。 太陽の柱が映っている。 遠く離れた今。 復活の時をただひたすらに願う。

福寿

道端に並んだ松かさ。 一枚一枚のすき間に命が宿っていた。 風に乗って子孫繁栄。 今は静かに現役引退。

泡雪

粉砂糖のふりかけ。 積もってはたちまち消える。 心に積もる憂さ。 熱き心で溶かせたら。

誰かが通った跡。 粉雪がたちまち消していく。 消えないうちに後に続けば楽。 あえて違う跡をつけて進んでみる。

球根

石ころだらけの地面を突き破る。 寒さに目覚めた春の兆し。 地下では根っこをしっかり伸ばす。 心ない言葉に負けないように。

感謝

花のない季節。 花壇に並んで代役を務める。 寂しい風景を彩る。 主役じゃないけど胸を張って。

冒険

息を切らして昇って来た山。 ぽっかりと開けた場所。 穏やかな海があった。 広い世界があるよと呼んでいた。

霧氷

サクサクと砂を踏むような足音。 夢の中を彷徨っているような風景。 夢中で歩くことで自分を温める。 生きるために歩く。

手紙

無数の落ち葉。 一枚一枚が手紙だったら。 温かな言葉が書いてあったら。 踏みしめて歩くことなんて出来やしない。

浄化

雪の中で咲く。 静かな白い花。 舞い降りてくる白い花びら。 一枚一枚を纏うように。

思い出

冬でも青々とした草原。 遠い日の記憶。 キャベツ。大根。ほうれん草。 豊かな野菜を生み出す大地。 今冬もあの畑は続いているだろうか。

小宇宙

小さな世界。 たくさんの命が宿っている。 各々の場所に合わせて懸命に生きる。 地位や名誉がなくても生きていける。

淡々と

淡々と穏やかな気持ちで 過ごせたら… そんな願いを込めて。