イタチハギ(花)
住んでいる山の上の住宅街から国道に出る
までは長い下り坂です。バスも通り、住人の
ほとんどが通る道なので車道も歩道もしっ
かりとアスファルトで塗り固められています。
この道の歩道脇のわずかな土の部分に6月に
なると濃い紫色の穂状の花が咲き始めます。
ずっと何の花だろう?と思っていたのですが、
今年になってイタチハギという名前の花だと
判明しました。確かに、イタチハギの葉は秋の
七草のハギの葉にそっくりです。大正時代に
山の斜面の砂防目的で植えられたものが野生化
して全国に広がっているそうです。
花は穂の下の方から段々に咲いていき、紫色の
花弁と黄色の雄しべのコントラストが大変美し
い配色です。自然にまかせておくと10mもの高
さに育つようですが、この辺りでは定期的に草
刈りが入るので、せいぜい腰の高さくらいで花
をつけています。
ダラダラと続く長い坂道を下りていくのはちょ
っと単調な時間です。でも、紫と黄色の妖艶な
花が彩ってくれるこの時期は、しばしの間、目
の保養のうれしい時間となります。