河川
秋の台風の時は恐ろしいほど大量の水が
流れていた川が今は底が見えるほど浅く
なっています。
そして水と共に流れてきた大量の土砂や
大きな石が荒々しくむき出しになって
横たわっているのが橋の上から見えます。
いつも川の近くに住んでいます。
ほとんどの日々、水は穏やかに流れていき、
流れる水を見ていると心にざわつくことが
あっても私の心は段々に静まっていきます。
目の前を流れていく水が一瞬一瞬とどまる
ことなく別の水に入れ替わっていく様子。
自分がクヨクヨしていることが薄まっていく
ような感覚。不思議な浄化作用を感じます。
川はやがて海へ通じます。寄せては返す波は
流れる川とは別のリズムを刻んでいます。
私にとって広く大きな海は、隠れるところが
なくて何かに飲み込まれてしまうような不安を
感じさせる場所です。
同じ地球を循環している水なのにこんなにも
私には異なって感じられるのなぜ?
育った環境の違いでしょうか?
台風の後、気のせいか川がきれいになった
ように感じます。
川も海も一度暴れ出せば人間には成す術が
ありません。
人智を超えた摂理をもっているのかもしれ
ません。