淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

アオサギ

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父の散歩コースには池があります。

その池は、山から流れてきた水が溜まって

出来たようで、その中に30cm位の黒いコイと

白いコイが住んでいます。

冬は、ほとんど凍りついてコイも深い所で冬眠

しているため姿が見えないのですが、春に

なって氷が溶けるとコイもまた水面近くに現れ

ます。

そして、その2匹の子供なのか小さな黒いコイ

の稚魚が5月位から見られるようになります。

稚魚が現れると父はお麩を持ってせっせと池に

通うようになります。人間がお味噌汁などに

入れて食べるあのお麩です。池の縁に立って

1時間近くもお麩を食べるコイたちを飽きずに

眺めているのです。

ところが最近、その土地の持ち主が池の中に

茂る水草を刈ったり、池の上に伸びていた木の

枝を切ったりして見通しが良くなりました。

すると池にアオサギが来るようになりました。

アオサギは、人間がいない時は池の中に入って

魚を狙っているようです。私達が池に近づくと

サッと飛び去って近くの電信柱に留まって、

私達が立ち去るのをじっと待っているのです。

まだ稚魚は生まれていないようですが、大きな

クチバシを持つアオサギにかかったらあっと

いう間に食べられてしまうことでしょう。

父は、アオサギがいると杖を振り回しながら

大声で追い払ったりします。

アオサギには悪いですが、もう何年も続けて

きた老人の楽しみなのでなんとか別の餌場を

見つけて欲しいと思うのですが、アオサギ

生きるために必死でしょう、そうやすやすと

池をあきらめてくれそうにありません。 

気温が上がって、池の上の木の枝が茂れば

アオサギは、池に降りづらくなるだろうし、

すぐ近くの田んぼもカエルやオタマジャクシで

満ちてくるので餌場が変わるかもしれません。

アオサギと父の両者が満足出来るようにいつ

にも増して早く暖かくなって生き物が満ちる

のをハラハラしながら待っているのです。