カタクリ(花)
カタクリの花は、都会では見ることの出来ない
花の1つだと思います。
春の短い期間だけ地上に姿を現わし、花を咲か
せ、種または球根を実らせて夏が来るまでには
また地中にもぐって休眠してしまいます。
春に花を開く山野草の仲間のほとんどのものは
超特急の春を送ります。
と呼ばれることもあります。春の儚きもの
という意味です。たいてい薬草でもあります。
カタクリも大昔は球根から片栗粉を取って
いたようです。今の片栗粉は、ジャガイモから
作られることがほとんどで薬効はありません
が、本当の片栗粉は腹痛や下痢止めの効果が
あるそうです。
この一輪の花が咲くまでに7~8年の歳月が
かかっています。そのためには大量の落葉樹の
フカフカのベッドが長い年月守られていること
が、不可欠です。コンクリートに覆われた都会
では絶対に生きられないのです。
日差しは春でも風はまだまだ冷たい中でふるえ
ながら咲いているカタクリの花は、私たち人間
に何かを教えてくれているような気がします。