ギンラン(花)
今年は、山野草がどれも不作です。
例年雑木林の中は、表面上乾いていても少し
落葉をめくればしっとりと湿った落葉が、幾重
にも重なっているのが見えます。ところが、
今年は落葉の層も薄く下に見える土もカサカサ
に乾いています。
すぐ近所の雑木林には毎年ギンランの白い花が
見られるのですが、今年は本当に少なくて心配
しています。全長10cm前後の小さな植物です
が、蝋細工のような花を今年は目を皿のように
して探しても見つかるのはごくわずかです。
いきなり絶滅ということはないと思いますが、
今年は「休み!」と山野草界では決めたのかも
しれません。
植物にとって最も安全な場所は、土の中です。
環境が悪い時は、種や根っこの形で土の中に
じっと籠って悪い物が通り過ぎるのを待って
いることは普通にあることです。何年も種の
まま眠って自分にとって最適な環境が訪れるの
を待つのです。Stay HomeならぬStay Landと
いう感じですかね。飼い犬や飼い猫でも調子が
悪い時はジッとしてやり過ごしています。
冷たい雨が続いてすっかり、気候は早春並みの
気温に逆戻りしました。コロナウィルスの流行
を考えても2020年は、万物が静かに時をやり過
ごすべき年なのかもしれません。