バラ(花)
真っ赤なバラは父の好みです。
以前住んでいた家の庭にも似たようなバラが
ありました。
多分、父にとってはバラというのは赤いものだ
と限定されているのだと思います。
同じようにケーキといえばイチゴのショート
ケーキです。良く言えば一途、悪く言えば融通
が利かない脳の持ち主なのです。
だからといって、他のものが嫌いなわけでは
ありません。自ら出てくる発想が極端に限定
されているのです。バラ以外の花も美しいと
思っているようですし、シュークリームも
チョコレートケーキも出されれば喜んで食べる
のですから。
この現象は、年を取ってから現れたわけでは
なく、幼い頃からずっとこういう傾向だった
のだと思います。
花や食べ物くらいならまだ可愛いものですが
物事全般にこういう傾向があるのは社会生活
を営む上で色々と困ったことが生じることも
多いです。人に対する印象も一度悪い感情を
抱いてしまうと修正がきかないことが多々
あります。自分の独断と偏見に満ちた考えに
凝り固まっていくら説明しても一度思い込ん
だら変更は不可能です。家族は、日々この
特殊な脳との付き合いに疲弊しています。
ビロードのような花びらに朝日を受けて咲く
深紅のバラの花言葉は愛情、情熱。
どうか、穏やかな6月が過ごせますようにと
バラに向かって祈るのです。