エゴノキ(花)
この季節の花は、白色が多いです。
早朝、今年もアスファルトの地面に真っ白な
エゴノキの花が散り敷いているのを見ながら
のんびりと坂道を登っていると前方に黒と
茶色のまだら模様の動物が小走りにやって
来ました。犬の散歩かな?と思いましたが、
飼い主らしい姿は見えません。
「野良犬かな?」ちょっと警戒心が芽生えた時
前方の動物が私に気づいてギョッとした様子で
立ち止まり、急いで態勢を横向きにして雑木林
に駆け込んで行きました。横向きになった姿は
まぎれもなくイノシシの形でした。
「えー!イノシシ!本当にいるんだ!」
ぼんやりとそんなことが頭に浮かびました。
雑木林の周囲は鉄のイノシシ除けの柵が至る所
に張り巡らされています。これまで一度も野生
のイノシシを見たことはありませんでした。
ニホンカモシカやイタチのような動物は、年に
1回くらいは見かけるのですが、車が通るアス
ファルトの道をイノシシが小走りしているなん
て想像もしませんでした。
イノシシと私の距離は、20mくらいでしたが、
向こうの方が、私を随分怖がっていたようで取
り残された私は、なんだか悪いことをしたよう
な気分でしばらく佇んでいたのです。