マサキ(実)
夏にたくさんの花を咲かせていたマサキが年も
押し詰まった今頃、朱色の実をつけています。
花の数に比べると実際につく実は少なく、花の
写真の横には、よく見ると2匹のアリが写って
いるので虫が受粉を手伝ってくれているのでし
ょう。
マサキの果実は花の大きさに比べるとずいぶん
大きいです。花は、5㎜程度なのに果実はその
2倍はあり、熟すると弾けて中から朱色の皮に
覆われた種が現れます。弾けるのはこの辺りで
は12月も半ば過ぎになります。
12月になると、紅葉も終わり、周囲は灰色と
茶色の地味な色に埋め尽くされてしまいます。
天気が良ければ青空が加勢してくれますが、そ
れも時々です。マサキの生け垣の前を歩く度に
鮮やかな色の実がまだ見えないかなぁと心待ち
にしています。そんな私ですが、子供の頃は、
マサキは地味でつまらない木でした。朱色の実
にも全く気がつかず、1年中テカテカした緑の
葉をした木という印象しかありませんでした。
置かれた環境や年齢によって見えたり見なくな
ったりする物事があります。人間の脳がコンピ
ューターと違って複雑なのは心という、つかみ
どころのない摩訶不思議な感情があるせいかも
知れません。