タチツボスミレ(花)
雑木林の陽だまりでは、今年もタチツボスミレ
があちらこちらで花を咲かせています。
いったい今までどこに隠れていたの?と思うほ
ど温かな斜面のあちらこちらに顔をのぞかせて
います。
タチツボスミレを初めて見たのは、光化学スモ
ッグが問題になるような町から同じ県内でもか
なり、のどかな町に引越した頃でした。
それまで住んでいた家の裏にも小さな竹藪があ
り、それなりに小さな自然が身近にあったので
すが、新しい家のすぐ隣は、大きな雑木林が連
なっていました。
小学校低学年の私は、これまで以上に広い自然
に魅了され、毎日、雑木林の探索に明け暮れま
した。初めて迎えた春、野生のスミレというも
のに生まれて初めて出会い、それがタチツボス
ミレという名前で、無尽蔵にあることがわかっ
た時の嬉しさは、今でも憶えています。
そのうち種が何かに運ばれて来て、庭でもタチ
ツボスミレは咲くようになりました。春の一番
身近な花として、今では何十年も一緒に暮らし
ています。
乾いた都会では見ることが、出来ませんが、日
本の野山には必ずある、このスミレと毎年、春
を祝えることは私の小さな幸せです。